健康長寿ネット

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ライフサイクルと食生活

ライフサイクルに応じた食生活とは

 小児期、青年期、中年期、高齢期と成長や発達に伴い、年齢ごとに必要なエネルギー量や栄養素の量が変化し、それぞれの時期に適した食生活があります。

 どの世代であっても1日3回規則正しく食べることは同じです。栄養のバランスを考えた食事は成長や発育、健康の維持に欠かせません。

小児期の食生活のポイント

 小児期(1~17歳)成長や発育が活発な時期でもあり、年齢ごとによって食事量や食生活の中でもポイントが異なります。

乳幼児期

 乳汁栄養から離乳食へと食形態が変わり、1歳半頃までには乳汁栄養以外の食べ物からも栄養素を補うことができるようになります。この時期は消化能力や咀嚼(そしゃく)能力が未熟なので、1日3回の食事で成長に必要な栄養素は補いきれず、栄養不足になることもあります。朝昼夜の3食の食事プラス間食(補食)を取り入れることで、1日に必要な栄養素が補えるようになります。また、食事の楽しさを体験する時期でもあるので、発育に見合った食材や調理をしていくことが大切です。

学童期

 6~11歳の時期であり、骨格の形成が著しく、それにともない呼吸、循環器系の機能、筋力、持久力などの運動能力も高まります。

 歯の発達も大きく変化し乳歯から永久歯へと生え変わります。

 この時期は肥満や痩せの傾向も現れるので、家庭での食事に気をつけていきます。学童期の肥満は成人期での生活習慣病の発症リスクが高まると言われているので、スナック菓子や清涼飲料水を控え、規則正しい食生活を送り適性体重の維持、管理が大切です。

 また、痩せ願望による偏ったダイエットが、低年齢化しています。無理なダイエットは身体の発育に影響を及ぼすので注意が必要です。

 最近の小学生は咀嚼力(そしゃくりょく)が低下していると言われているので、噛む力を身につけるためにも、食物繊維を含む野菜や海藻類を取り入れることが大切です。

思春期

 小児から成人へ成長する大切な時期です。身長、体重の変化に伴い、性ホルモンの分泌などの影響を受ける時期でもあります。

 身体の発達が急速で、活動量も増えるため、基礎代謝量が最も高い時期です。とくに糖質や脂質が多い食事に偏ってしまい、成長に必要なビタミンやミネラルが不足してしまいます。

 特に骨量が最大になる時期なので、乳製品や小魚、緑黄色野菜などからカルシウムを十分に補っておかないと、骨粗鬆症になるリスクも高まります。家庭での食事で、不足しがちなビタミンやミネラルを補い、特に骨量に見合ったカルシウムを多く含む食品をとり入れていきます。

 男女とも年齢とともに貧血が増加する傾向があるので、赤身の肉、魚、緑黄色野菜などから鉄を補い、鉄の吸収を高めるためにも、バランスの良い食事を心がけます。

 また、思春期の女子に多く見られるのが、神経性食欲不振症や神経性過食症の摂食障害です。痩せ願望や極端なダイエットによって引き起こします。糖質や脂質の多い間食を調節し、バランスの良い食事をしながら適性体重を管理します。

青年期の食生活のポイント

 思春期以降から29歳までで、身体の成長はほぼ完成しています。死亡率や有病率は低い時期ですが、仕事や結婚などこれまでと違った生活を送ることにより、今までと食事や運動など生活リズムも変わります。外食が増えることで野菜不足、塩分、脂肪過多となり、生活習慣病になりやすくなります。

 外食や自宅でも野菜を積極的にとり入れ、塩分過多にならないよう薄味を意識する、揚げ物や油の多いメニューを減らすなどして脂肪の摂取量も調整します。

中年期の食生活のポイント

 一般的に50~64歳を中年期と言い、身体面でも徐々に機能低下しはじめます。特に生活習慣病である糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧など様々な疾患も顕著に現れます。

 生活習慣病の予防のためにも、栄養バランスの良い食事で腹八分目を心がけます。青年期と同様、野菜を積極的にとり入れ、塩分や脂質を抑え、高血圧や脂質異常症、肥満の予防をしていきます。

高齢期の食生活のポイント

 高齢期とは65歳以上をさしますが、65歳以上でも若々しい方もいらっしゃいます。年齢を重ねることに老化現象は始まっているため、筋肉や体水分量が減り、消化機能も低下します。唾液の分泌量が減り、食事や水分でむせ込んでしまうため、徐々に食事や水分量が減ってしまって低栄養状態を招くこともあります。

 また、特に75歳以上の後期高齢者といわれる人たちでは、予備力が低下している場合が多く、やせは肥満よりもむしろ死亡のリスクにつながっています。栄養をたっぷりとって健康を維持していくことが重要です。

 しかし、高齢者ではいろいろな原因で食欲が低下してしまいます。からだにとって必要なエネルギー量は若い人たちに比べれば減りますが、たんぱく質や必須アミノ酸、必須脂肪酸、カルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミン類、食物繊維などの成分の多くは若い人たちと同じだけの量、場合によっては若い人たちよりも多く摂らねばなりません。しかし少ない食事量でこれらの成分を必要なだけとるには、副食からまず食べること、いろいろな食材を利用することなど、食べ方や献立を工夫する必要があります。

高齢期の食生活のポイント(まとめ)

  • 低栄養予防のためにも、肉、魚、卵、大豆製品のような良質のたんぱく質を毎食取り入れていくことが大切です。
  • 食事の形態は口の中で噛みやすく、まとまりやすく、飲み込みやすいものが誤嚥(ごえん)を防ぎ、安全に食べることができます。
  • 1日2食になってしまう時は、食事と食事の間に間食(補食)を補い、体の機能を維持するためのエネルギーとたんぱく質を補います。
※ 予備力:
予備力とは、身体の各機能には運動や危機的状況の時に発揮される「最大能力」と「日常活動に必要な能力」があります。予備力とは最大能力と日常活動に必要な能力の差のことを言い、老化するほど低下します。

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