健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

コーヒーの健康効果とは

コーヒーとは1)

写真:コーヒーをカップに注ぐ写真。コーヒーはコーヒー豆を乾燥させて焙煎したものを粉砕し、お湯で抽出した飲み物を表す

 コーヒーは、コーヒー豆(コーヒーノキの種子)を乾燥させて焙煎したものを粉砕し、お湯で抽出した飲み物です。コーヒーの起源には諸説ありますが、西暦900年頃アラビア人の医師ラーゼスが患者にコーヒーを飲ませ、「消化、利尿効果あり」との臨床の記録が残っています1)。中世後期にヨーロッパで広まり、現在世界中で飲まれるようになっています。日本には江戸時代後期に長崎の出島に駐在していたオランダ人より伝来しました。

コーヒーに含まれる成分2)4)5)

 コーヒーに含まれる成分として、真っ先に思い浮かぶのはカフェインでしょう。玉露を除けば、煎茶や紅茶、ウーロン茶など日常的に飲む他の飲料と比べて、カフェインが多く含まれています(表1)。

表1:各種飲料のカフェイン含有量2)
各種飲料のカフェイン含有量(浸出液)
玉露 0.16%
煎茶 0.02%
番茶 0.01%
ほうじ茶 0.02%
玄米茶 0.01%
ウーロン茶 0.02%
紅茶 0.03%
レギュラーコーヒー 0.06%
ソリュブルコーヒー 0.04%
※ ソリュブルコーヒー:
ソリュブルコーヒーとは、コーヒー豆から抽出したコーヒー液に細かく砕いたコーヒー豆を混ぜて乾燥させ、粉末にしたもの。インスタントコーヒーはコーヒー液を粉末にしたもの。

コーヒーに含まれるカフェインの効果

 妊婦さんや子どもはカフェインが多いコーヒーを飲まない方がいいと言われていますが、有用な効果もたくさんあります。

 よく知られているカフェインの効果は覚せい作用です。カフェインの覚醒作用により、頭をすっきりさせて集中力を高める効果があります。また、利尿効果があり、体内の老廃物の排出を促進させる効果があります。他にも、中枢神経を刺激して、自律神経の働きを高めたり、運動能力を向上させたり、心臓の筋肉の収縮力を強化させたりするなど、コーヒーに含まれるカフェインは、多彩な効果をもっています。

コーヒーに含まれるポリフェノールの効果

 また、コーヒーには、カフェイン以上にポリフェノールがたくさん含まれていることが知られています。近年、ポリフェノールを豊富に含む赤ワインを多く飲んでいるフランス人は油の多い食事をとっているにもかかわらず心疾患での死亡率が低いことが分かりました3)。赤ワインに含まれるポリフェノールが体にいいということで注目されるようになりましたが、実はコーヒーにも、赤ワインに匹敵する量のポリフェノールが含まれています(グラフ1)。

グラフ:コーヒーには赤ワインに匹敵する量のポリフェノールが含まれていることをしめす棒グラフ
グラフ1:食品100gあたりのポリフェノール含有量(mg)4)
表2:食品100gあたりのポリフェノール含有量(mg)
食品 食品100gあたりのポリフェノール含有量(mg)
赤ワイン 230
コーヒー 200
緑茶 115
紅茶 96
トマト・野菜ジュース 69
ココア 62
ごぼう 49
ほうれん草 42
ウーロン茶 39
豆乳 36
ブロッコリー 35
フルーツジュース 34
大豆 15
ブドウ 12
麦茶 9

 赤ワインに含まれるポリフェノールは、アントシアニンやタンニン、リスベラトロールという種類ですが、コーヒーに含まれるポリフェノールの代表はクロロゲン酸類です。

 ポリフェノールは、植物が持つ苦味や色素の成分で、活性酸素などから体を守る抗酸化作用の強い成分です。そのため、ポリフェノールは活性酸素が引き金となって起こるがんや、動脈硬化、心筋梗塞、などの生活習慣病の予防に効果があります。

 さらに、ポリフェノールが紫外線による肌のダメージを防ぐ効果も注目されております。コーヒーを1日2杯以上飲む女性は、紫外線による顔のシミが少ないという実験結果も報告されています6)

 ポリフェノールの健康効果についてはリンク1も併せてご覧ください。

リンク1:ポリフェノールの種類と効果と摂取量

コーヒーの健康の効果とは7)

心臓病・脳卒中・呼吸器疾患の死亡リスク低下

 2015年5月に、国立がん研究センター予防研究グループは習慣的にコーヒーを飲む人は、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという、コホート研究の結果を報告しました7)。この研究成果によりコーヒーの健康効果が一躍注目されるようになりました。炎症を予防する効果のあるカフェインと、酸化を防ぐ効果のあるポリフェノールの相乗効果によると考えられています。

 コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸の仲間は、体の中でフェルラ酸という成分に代謝されます。このフェルラ酸は血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにしてくれるため、血管が詰まりにくく脳梗塞や心筋梗塞を防いでくれると考えられています。

 また、コーヒーに含まれるカフェインが気管支を拡張する作用があり、呼吸器の機能を改善する効果があるとされています。

コーヒーの様々な健康効果

 コーヒーには、心臓病や脳卒中を予防するほか、大腸がんや肝がんの予防8)9)、2型糖尿病の血糖値の改善10)、脂肪燃焼促進による肥満防止11)など様々な効果が報告されています。

コーヒーのリラックス効果

写真:夫婦が居間でコーヒーを一緒に飲んでリラックスしている雰囲気を表す写真。

 もう一つ、コーヒーの健康の効果で忘れてはならないものは、コーヒーのリラックス効果です。コーヒーの良い香りをかぐと気持ちがほっとしませんか。おいしいコーヒーを飲んでリラックスして、ストレスを解消することは、健康のためにも大切なことです。

参考文献

  1. コーヒーの歴史 UCC上島珈琲(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. なぜなに?コーヒーと健康 ネスレ日本株式会社(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 耳寄りな心臓の話(第28話)『心臓病のフレンチ・パラドックス』 公益財団法人 日本心臓財団(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. Fukushima Y et al., J Agric Food Chem 2009; 57: 1253-59.
  5. ポリフェノール(クロロゲン酸類) 全日本コーヒー協会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. Skin photoprotection and consumption of coffee and polyphenols in healthy middle-aged Japanese females Yoichi Fukushima PhD. et al.(2014)(英語サイト) (外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  7. コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について 国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  8. コーヒー摂取と大腸がんとの関連について 国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  9. コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について 国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  10. 精神的要因、コーヒーと糖尿病との関連について 国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  11. コーヒーが本来持っている健康機能を引き出す技術 花王(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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