健康長寿ネット

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食事のヒント:食物アレルギー

食物アレルギーの現況

 近年、アレルギー物質を含む食品による健康被害が注目されています。

 食物アレルギーをもつ者は小中学生で約1.5%いるといわれています。乳幼児では約30%がアトピ―性皮膚炎かその疑いがあると診断されています。またその数は年々増加傾向にあり、種類も多様化してきています。

 アレルギー疾患をひきおこす原因(アレルゲン)は、食物やカビ、ダニ、ホコリをはじめとし化学物質などで、様々な要因が複雑に絡みあって発症します。

 アレルゲンとなる食品は卵、牛乳、小麦の3大アレルゲンをはじめとして、大豆、ナッツ類、魚、甲殻類、果物と多岐にわたりその反応も複雑です。現在これらの食品のうち乳、小麦、そば、卵、落花生はその表示が義務付けられ(特定材料)、カニ、サバ、大豆等は特定材料に準じる食品として表示が奨励されるようになりました。

アレルギー除去食のポイント

(1)アレルギー専門医の診断を受け除去の程度をきめる。

 取り分けだけでよいのか、微量まで除去しなければならないのか、それによって対応が違ってきます。

(2)食物除去食は栄養バランスに注意して行いましょう。

 成長期の子どもの場合は特に卵、牛乳などの除去はカルシウムやたんぱく質不足を招きやすく発育不良を起こしやすいのです。また食事は身体の発育だけでなく、精神を安定させるためにもとても大切です。

(3)除去食を行っている人にストレスを与えないようにしましょう。

 家族や周りにいる人の温かい気配りが大切です。

主なアレルギーについて

(1)卵アレルギー

 卵黄は比較的起こしにくく、ほとんどは卵白に含まれるたんぱく質により起こります。うずらやあひるの卵は要注意です。

 加熱するとアレルゲン活性が低くなり、加熱の程度と卵の量により食べられる食品が増やせます。幼児の場合は2~3歳までには食べられるようになりますので、主治医と相談しながら解除の時期を見つけましょう。表1に卵1個のたんぱく質に代わる食品を示しましたので参考にしてください。

表1:卵と代替食品
卵1個(50g)の蛋白質6.2gに代わる食品
まぐろ 25g(さしみ2.5切)
あじ 30g(小1/3尾)
豚もも肉 30g(薄切り1枚)
木綿豆腐 95g(約1/4丁)
牛乳 190ml(1カップ)
納豆 40g(小1パック)

(2)牛乳アレルギー

 牛乳アレルゲンの主成分であるカゼインは牛乳たんぱくの80%を占めており、加熱してもIgE抗体との反応性は低くなりません。牛乳たんぱく質は比較的消化されやすく、消化酵素(ペプシン、トリプシン)の働きが活発になれば、十分に消化されてアレルギー反応をおこしにくくなります。表2に牛乳1本(200ml)のカルシウムの代わりとなる食品を示しましたので参考にしてください。

間違いやすい「乳」を含む言葉

 「乳」を含む言葉には牛乳と関係しているもの、していないものがあります。

乳糖
牛乳中に含まれる主要な糖質です。精製された乳糖でも、ごくわずかな牛乳たんぱくが残っている場合がありますので、牛乳アレルギーを持っている人は注意が必要です。
乳酸菌
乳酸菌は牛乳中の乳糖から乳酸を作ります。「乳酸菌飲料」は特定材料の乳製品に含まれます。また、製造過程で脱脂粉乳が使用される「乳酸菌製剤」の使用は牛乳アレルギーの方では禁忌(きんき:人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法を避けて行わないようにすること)になっています。
乳化剤
混ざりにくい2つ以上の液体を乳液状又はクリーム状にして混ぜ合わせるための添加物。卵黄や大豆、牛脂などから作られますが、牛乳とは関係ありません。
表2:牛乳と代替食品
牛乳1本(200ml)のカルシウム220mgに代わる食品
しらす干し半乾 42g(1/2カップ)
小松菜 130g(約2/3束)
ごま 18g(大さじ3杯)
木綿豆腐 260g(約1/2丁)
干し桜えび 11g(大さじ3杯)
ひじき乾 15g(煮物小鉢1杯)

(3)小麦アレルギー

 小麦アレルギーは卵、牛乳についで多く、日本人で次第に増えてきています。

 主食で食べるパンやめん類以外にも、小麦を含む食品は多く、完全に除去するのは難しく、症状を誘発する閾値(いきち:生体の感覚に興奮を生じさせるために必要な刺激の最小値)を考えて、除去が必要なレベルを見つけるのがポイントです。

 小麦、米、そばなどの穀物のIgE抗体価が高い場合、生まれて一度も食べたことがないアワ、ヒエ、トウモロコシにも陽性がでることがあります。

 穀物に共通の抗原成分(生体内に入ると抗体を作らせる原因となる物質)によるものです。米や小麦の代替え食品として雑穀を利用する場合はこうした交差抗原性に注意しましょう。

(4)そば、ピーナツアレルギー

 そば、ピーナツアレルギーは年々増加の傾向にあり、大人になって突然起こることがあります。これらを食べない事が最適な対処方法です。

おすすめメニュー

 卵・乳・小麦アレルギーに対応するおすすめレシピの「魚の揚げサラダ」を紹介いたします。栄養価は表3のとおりです。

写真:おすすめメニュー(レシピ) 揚げ魚のサラダとごまみそディップ

表3:おすすめメニュー(栄養価)
魚の揚げサラダ ごまみそディップ
エネルギー 204kcal 43kcal
たん白質 13.8g 1.6g
脂質 13.0g 1.6g
塩分 0.6g 1.2g

魚の揚げサラダ

材料 (4人分)

  • 魚の切り身 80g×4枚
  • 塩、こしょう 少々
■材料A
上新粉 大2
片栗粉 大1
カレー粉、塩 小1
揚げ油(菜種油、しそ油)
キャベツ 400g
小松菜 1束
人参 5cm
こぶだし 適宜
塩 少々

作り方

  1. 魚は大きめのさいころ状に切り、塩、こしょうで下味を付けておく。
  2. 材料Aの調味料をビニール袋に入れ混ぜ合わせておく。
  3. 下味が付いたら軽く水気をふき「1.」の魚を1回に揚げられる分をのビニール袋に入れてまぶす。
  4. 油を熱し魚に火が通るまでカリッと揚げる。
  5. キャベツはざく切り、小松菜は3cmに人参は千切りに切る。
  6. 鍋に野菜がひたひたに入る量のこぶだしに塩を少し入れ、「5.」の野菜をあくの少ない順に茹でる。
  7. 茹で上がったら水気を切り冷まし、軽く絞り器に敷く。
  8. 「7.」の上に「4.」の魚を盛る。
  9. お好みでごまみそディップをつけながら食べる。

※魚の種類はまぐろ、カジキ、生さけなど

※魚にまぶす小麦粉の代わりに上新粉、片栗粉を使用

ごまみそディップ

材料 (4人分)

■材料B(ごまみそディップ)
米味噌 50g米100%の物
すりごま 大1
砂糖 6g
塩 少々
野菜の茹で汁 約100cc
片栗粉 大1
水 大2

作り方

  1. 材料Bを合わせて火にかけ混ぜ水溶き片栗粉でとろみをつける。

※とろみの調節は片栗粉でとろみをつけながら決める。

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