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肥満治療の食事レシピ

公開日:2016年7月25日 04時00分
更新日:2019年2月 1日 18時23分

肥満の食事・食材・調理のポイント

肥満治療の食事のポイント

  1. 1日3食、規則正しく食べる
  2. バランスよく食べる
  3. 寝る2~3時間前までに食事は済ませる
  4. 野菜・きのこ類、海藻類を1日350g以上食べる
  5. 腹八分目にする
  6. 間食は控える
  7. 糖分入り飲料は控える
  8. ゆっくり良く噛んで食べる

1.1日3食、規則正しく食べる

 朝食、昼食、夕食の時間を毎回決めておくと血糖値の急上昇が抑えられるため、脂肪を溜めにくくなります。また空腹時間が長くなると、ドカ食いや間食を摂ってしまいます。

 朝食、昼食、夕食の理想的な比率は3:4:3です。朝食、昼食が一緒になり、1日2食になるときは、食事と食事の間に間食(補食)を補います。補食とは食事で補いきれなかった栄養素を補うためのものです。ヨーグルトや果物などで補います。ただし果物は果糖が多く含まれているので、量は控えます。

 朝食を欠食すると、生体内のリズムが崩れ、健康にも悪影響が出てきます。また脳へエネルギーがいかない他、朝食を摂ることで1日のエネルギー代謝も高まります。欠食をすると体が飢餓状態に陥るため、食べたものを蓄えやすくなり、体が省エネモードになってしまいます。

2.バランス良く食べる

 丼物、麺類、パンのみなど単品の食事ではなく、定食のように主食、主菜、副菜、汁物がある一汁二菜にします。単品の食事はご飯やパン、麺と炭水化物中心となってしまい、筋肉や血液など体の構成成分の材料となるたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)や、体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維が不足してしまいます。

3.寝る2~3時間前までに食事は済ませる

 夕食の時間が遅くなればなるほど脂肪は体内に蓄積されやすくなります。特に22時~2時はBMAL1という体に脂肪を溜め込むたんぱく質の分泌が活発になります。夕食が遅くなる時は17時~18時頃に軽めの食事を済ませ、夕食は低脂肪の食事を少量とり入れます。

4.野菜・きのこ類、海藻類を1日350g以上食べる

 野菜やきのこ類、海藻類は低カロリーで食物繊維が多く、満腹感を与えてくれます。毎食小皿1(70g)~2皿ずつ取り入れていると350gになります。ただしじゃが芋や里芋などの芋類やかぼちゃ、とうもろこしは糖質が多い野菜です。沢山食べ過ぎてしまうと、血液中の血糖値や中性脂肪を増やしてしまいます。

5. 腹八分目にする

 満腹まで食べてしまうと糖分や脂質の摂取量も多くなり、結果的に摂取カロリーも多くなり肥満になってしまいます。

6. 間食は控える

 菓子類は糖分や脂質が多く、高カロリーです。減量中は間食を控えることがオススメですが、我慢しすぎてストレスになってしまうと過食につながるので適量を摂取します。目安は1日の目標摂取カロリーの10~20%です。200kcal以内に抑えましょう。また間食をする時間は14~16時は太りにくい時間なので、時間と量を調節し摂取します。

7. 糖分入り飲料は控える

 清涼飲料水や果汁など糖分入り飲料は、腸からの糖の吸収が良く、血糖値が急上昇し、脂肪になりやすくなります。お茶や麦茶、水など糖分が入っていない飲み物で水分補給は行います。

8.ゆっくり良く噛んで食べる

 良く噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎが防げます。食欲をコントロールするホルモンの分泌は食後20分後からなので、20分以上かけてゆっくりと食事をします。食べるペースが速いと、満腹感を感じる前にどんどん食べてしまうので、摂取カロリーも多くなってしまいます。

肥満治療の食事の食材のポイント

1.きのこ類

 低カロリーで食物繊維が多く含まれています。きのこは100g当たり約20kcal前後なので、副菜に1品プラスしやすい食材です。

2.海藻類

 低カロリーで食物繊維が多く含まれています。とくにメカブやモズクなどのネバネバはフコイダンという水溶性食物繊維で、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

3.野菜

 野菜には色の濃い緑黄色野菜と色の薄い淡色野菜があります。ビタミン、ミネラルは糖質や脂質の代謝を高めてくれます。食物繊維は満腹感を与えてくれます

肥満治療の食事の調理のポイント

1.油を控える

 油はエネルギー源や緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンの吸収率を高める働き、細胞膜やホルモンの材料になるので必要ですが、過剰摂取は摂取エネルギーが多くなってしまうため、肥満につながります。

 油は1g当たり9kcalあります。大さじ1杯で約100kcalです。目安量は摂取エネルギーの20~25%です。肉類は赤身の部位を選ぶようにします。調理をする際も、油の使用量は控えますが、メニューの組み合わせの際、揚げ物や炒め物など、油を多く使う料理は1日1~2品にし、煮る、蒸すなど油の使用量が少ない調理方法に変えます。

2.野菜は切り方、調理方法を工夫する

 野菜は食物繊維が多いので満腹感が得られやすい食材です。満腹感を得るためには噛む回数を増やすことです。食材が食べやすいサイズや柔らかいと噛む回数が少なくてすみ、食べるペースが速くなってしまいます。いつもより、大きく、少し固めに調理することで咀嚼回数が増え、満腹感が得られます。

3.作り過ぎない

 作り過ぎてしまうと、残すのがもったいなくて、つい食べ過ぎてしまいます。多く作ってしまったら、先にタッパーなどに入れて、1食分だけ盛り付けるようにします。

肥満治療のレシピ

レシピ1 きのこのマリネ

材料(2人分)

  • しいたけ    2個 
  • えのきたけ   1/2株 
  • A酢       大さじ2 
  • Aオリーブオイル 大さじ1 
  • A塩       適量
  • A胡椒      適量
  • A粉パセリ    適宜

作り方

  1. しいたけは軸を切ってスライスする。
  2. えのきたけは石づきを切り落とし、しいたけと同じくらいの長さに切る。
  3. しいたけとえのきをさっと茹で、ざるにあげる。
  4. Aを合わせ、3を入れて和えれば完成。お好みで粉パセリをかける。

レシピ2 大根のバターしょう油焼き

材料(2人分)

  • 大根      100g
  • バター     小さじ1
  • しょう油    小さじ2
  • 貝割れ大根   適量

作り方

  1. 大根は皮をむき、両面に切れ目を入れ、下茹でをする。
  2. 貝割れ大根は2cm幅に切る。
  3. フライパンにバターを引き、下茹でした大根に焼き色がつくまで両面焼く。
  4. しょう油で味付けをし、お皿に盛り付け、貝割れ大根をのせる。

レシピ3 ほうれん草のオムレツ

材料(2人分)

  • 卵       2個
  • ほうれん草   2束
  • 玉ねぎ     1/6個
  • 赤パプリカ   5g
  • 牛乳      大さじ1
  • コンソメ    小さじ1
  • オリーブオイル 大さじ1/2
  • 塩       少々
  • こしょう    少々
  • レタス     2枚

作り方

  1. ほうれん草は3cm幅に切り、玉ねぎ、赤パプリカはスライスする。
  2. フライパンにオリーブオイル小さじ1をひき、1を炒め、塩、こしょうをし、粗熱をとる。
  3. ボールに卵を割り、牛乳とコンソメを入れて、2を入れる。
  4. フライパンに残りのオリーブオイルをひき、3を流し入れ、蓋をし、弱火で10~15分蒸し焼きにする。
  5. レタスは食べやすいサイズに切り、お皿に盛り付け、4をのせる。

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