不安の解消は将来の認知症発症リスクを軽減する
公開日:2023年4月28日 09時00分
更新日:2023年4月26日 09時59分
不安障害は認知症発症と関連することが報告されている。一方、不安を解消することで、将来の認知症発症リスクを軽減できるかは不明であった。ADAPT LabのStottらは英国で心理療法を受けた65歳以上、約2万人のデータを解析し、療法前に認知症がなく不安障害と診断された参加者を対象に、療法後の不安障害の改善と認知症発症との関連を調査した。8年間の観察の結果、不安障害が改善した群では、改善がなかった群に比較し、全認知症発症が17%、アルツハイマー型認知症が15%、脳血管性認知症が20%減少した。不安解消に伴う心血管代謝改善効果、心理社会的な改善、生活様式の変化など様々な要因の関与が推測される。不安障害を抱えた高齢者の、より多くが心理療法を受けられる機会を増やす必要がありそうだ。
文献
Stott J, et al., Lancet Healthy Longev. 2023; 4(1): e12-e22
転載元
公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2023年 第32巻第1号(PDF:5.8MB)(新しいウィンドウが開きます)
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