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アルツハイマー病への治療戦略:新たな抗体への望み

公開日:2017年2月 6日 15時47分
更新日:2022年12月 2日 14時28分

 2つの脳画像がNatureという科学雑誌の表紙を飾った。左は「赤い」脳。アミロイドβ(Aβ)が多く蓄積していることを示すPET画像だ。右は「青い」脳。Aβがほとんどない。米国のBiogen社の新しいモノクロ抗体「アデュカヌマブ」をひと月に1回のペースで投与してほぼ1年、54週目のデータだ。劇的な効果である。認知度の臨床評価でも用量に応じて効果がみられた。マウスの動物実験でもこの抗体の有意性を確認している。以前、製薬大手のPfeizerEli-Lillyの抗体薬の失敗でもう諦めたと思われた抗体による治療戦略だが、いい抗体を選べばまだいける、そんな希望を抱かせる論文だ。副作用等にも注視しながら、より深い臨床研究へつながるのだろう。

文献

Sevigny J et al. The antibody aducanumab reduces Aβ plaques in Alzheimer's disease Nature 537.50-56, 2016(新しいウインドウが開きます)

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.80 最新研究情報

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