長寿科学研究に関する情報を提供し、明るく活力ある長寿社会の実現に貢献します。

平成28年度若手研究者表彰事業 長寿科学賞受賞者について

写真1:長寿科学振興財団長寿科学賞第17回若手研究者表彰式の写真

 平成28年11月11日(金)キャッスルプラザにおいて、第17回若手研究者表彰式を行いました。受賞者には、表彰状、表彰盾、副賞(研究費100万円)が贈呈されました。受賞者とその研究概要は以下のとおりです。

受賞者氏名

東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 講師 遠又 靖丈 氏

研究課題名

日本型食生活は健康寿命の延伸に寄与しうるのか:コホート研究による要介護・認知症との予防的関連の検討

研究期間

平成24年度~平成28年度

研究内容及び研究成果の概要

 日本人が世界トップクラスの寿命・健康長寿である一因として、日本人特有の食事が関与している可能性が挙げられてきたが、これに関する研究報告は殆どなかった。受賞者は長寿科学総合研究事業「介護予防事業の進捗管理と効果評価のためのデータ整備に関する研究」(研究代表者:辻 一郎)の一環として、宮城県大崎市の要介護状態でない65歳以上住民(約1万4千名)のコホート研究により日本型食事パターンと1.要介護リスク(代表論文)、2.認知症リスク(2016年6月論文受理)との関連を世界で初めて検証した。その結果、様々な要因を調整しても、日本食パターン得点が高い者ほど要介護発生リスクや認知症発生リスクは減少するという用量反応関係を認めた。この研究によって日本型食生活が健康寿命の延伸に寄与しうることが示唆されるとともに、健康寿命に寄与しうる食事の組み合わせのp指標「日本食インデックススコア」が提言された。

代表論文

Tomata Y, et al. Dietary patterns and incident functional disability in elderly Japanese: the Ohsaki Cohort 2006 study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2014;69:843-51.

写真2:長寿科学振興財団長寿科学賞第17回若手研究者表彰式の写真