老化細胞は新型コロナウイルス感染時の死亡率を増加させる
公開月:2021年10月
加齢に伴い増加する老化細胞(Senescent cells: SnCs)からは炎症を促進するような物質が産生され、この現象は細胞老化随伴分泌現象(senescence-associated secretory phenotype: SASP)と呼ばれる。ミネソタ大学のCamellらはマウスを用いて、SnCsは新型コロナウイルスと類似のウイルス感染時にSASPを介して感染を促進し、ウイルスに対する防御反応を低下させることや、逆にSnCsを薬剤や遺伝子工学的に取り除くことで、ウイルス感染時の死亡率を低下させることを見出した。高齢者はコロナウイルス感染時に重症化しやすいが、あらかじめSnCsを取り除くことで死亡率を低下させることが可能かもしれない。
文献
Camell CD, et al., Science. 2021; 373: eabe4832
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