健康長寿ネット

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介護保険財政

介護保険財政とは

 2000年から始まった介護保険制度は,安定的に運営される仕組みを作っています。ここでは保険料と財政という,お金の観点から介護保険制度の仕組みを解説します。

介護保険料

 65歳以上の第1号被保険者(リンク1参照)の保険料は,低所得者の方が過重な負担とならないように,所得に応じて9段階(自治体によってはより多くの段階を設定している場合もあります)となっています。その納付方法については、老齢・退職年金等から引き落として納付していただく(特別徴収)か、年金等の額が一定以下である方等については、市町村に個別に納付していただく(普通徴収)ことになります。保険料は、市町村が条例で設定します。また40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料は,それぞれが加入する医療保険ごとに設定されます。そして,医療保険者が医療保険料と一括して徴収します。社会保険診療報酬支払基金が一時的に預かり,保険者(リンク2参照)である市町村に,第2号被保険者数に応じて交付します。

リンク1「被保険者」

リンク2「保険者」

介護保険財政

 利用者の負担である利用者負担は原則として介護費用の10%です。そして介護費用から利用者負担を引いた残りを給付費といいます。

 給付費の50%を国が25%,都道府県が12.5%,市町村が12.5%負担します(施設等給付の場合は,国20%,都道府県17.5%です)。国庫負担の25%のうち,5%は後期高齢者(75歳以上の方)の割合や,第1号被保険者の所得の状況に応じて交付されます。これは調整交付金と呼ばれます。後期高齢者が多い地域や所得の低い第1号被保険者が多い地域ではすべて第1号被保険者の保険料で支えるとすると全体の保険料が高くなってしまいます。調整交付金は,このようなことが起きないためのものです。給付費の残りの22%が第1号,28%が第2号被保険者の保険料となります。給付費の50%は被保険者の納付する保険料が財源になりますが,調整交付金による調整が行われます。

 また、22%と28%という数値は,わが国の第1号被保険者と第2号被保険者の人口の割合によって決められます。この割合は3年に1度見直され,第2号被保険者の40歳以上人口に占める割合が減ると負担割合も減る仕組みとなっています。

 結局保険者は,給付費の20%を国から,12.5%を都道府県から,12.5%を自身の一般会計から,28%を社会保険診療報酬基金(第2号の保険料)から賄います。そして残りは,調整交付金と第1号の保険料で賄われます。保険料は,今述べた各グループの負担額が決まったあとに,保険料の総額がこれに等しくなるように決定されます。ところが,給付費が見通しを上回ったり,通常の保険料徴収でも生じてしまった保険料未納によって,介護保険財政が赤字になることもあります。このような事態に備えて,国・都道府県・市町村が1/3ずつ負担して財政安定化基金を設置し,安定的な運営ができるような仕組みとなっています(図)。

図:介護保険制度の仕組みを示す図。

図:介護保険制度の仕組み

自己負担額の1割と2割

 2015年8月からは、第1号被保険者にあたる65歳以上の本人合計所得が年収160万円以上で、本人合計所得に年金を加えた年収が、280万円以上ある単独世帯の高齢者は、自己負担額が1割から2割へ引きあげられます。2人以上であれば、346万円以上ある場合に対象となります。65歳未満の人は所得にかかわらず1割負担になります。自己負担額が1割か2割かわからない人は、毎年7月に負担割合証が送られてくるため、介護保険証と共に確認していきましょう。

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