健康長寿ネット

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介護保険の介護報酬とは

公開日:2018年12月18日 16時30分
更新日:2019年2月21日 12時03分

介護報酬とは

 事業者が利用者(要介護者、要支援者)に各種介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に支払われる報酬のことです。原則として、介護報酬の7割から9割は介護保険から支払われ、1割から3割は、利用者の自己負担となります。

図1:介護報酬の流れを示した図。介護報酬の7割から9割は介護保険から、1割から3割は利用者の自己負担となる。
図1:介護報酬の流れ

 介護報酬は、サービスごとに厚生労働大臣が定める基準により算定されております。事業所のサービス提供体制や利用者の状況に応じて、介護報酬は加算・減算される仕組みとなっています。

 要介護1~5の方なら居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、要支援1・2の方なら地域包括支援センターの保健師などが、介護サービスを利用する前に、利用者の状態や家族の状況に応じて、介護サービスまたは介護予防サービスを計画的に利用できるように、「ケアプラン」を作成します。居宅介護支援事業所や地域包括支援センターのケアプラン作成にかかる費用に関しては、全額介護保険で賄われますので、利用者の負担はありません。

2018年度介護報酬改定

 2000年に介護保険制度が施行して以来、3年ごとに介護報酬の改定が行われています。2018年4月に6回目の改定が行われ、今回は全体で+0.54%の改定率となりました。

 今回の改定では、団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて、国民1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、質が高く効率的な介護の提供体制の整備を推進していくことが提示されており、以下の4つの視点での改定が行われています。

介護報酬改定の4つの視点

1.地域包括ケアシステムの推進

 中重度の要介護者を含め、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスが受けられるようにしようという地域包括ケアシステムを推進しようという方針です。

2.自立支援・重度化防止の重視

 高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止のため、リハビリテーションを強化し、リハビリテーションマネジメントに関する加算を設けるとしています。

3.多様な人材の確保と生産性の向上

 介護ロボットの活用、見守り機器の導入、生活援助の担い手の拡大に向けた新研修創設などにより、介護全体の効率化を図ろうという取り組みです。

4.介護サービスの適正化・重点化

 福祉用具貸与の上限価格の設定、要支援者と要介護者に対する訪問看護の報酬体制の見直し、通所介護の基本報酬のサービス提供時間区分を2時間ごとから1時間ごとに変更するなどの見直し等を行い、介護サービスの適正化・重点化を図ることで介護保険制度の安定、継続性を確保しようという取り組みです。

利用者の自己負担額割合の改定

 年々、介護保険の利用者は増加しています。介護費用も当然増え続けています。その対策として今回見直されたのが、利用者の自己負担額です。

 これまでの利用者の自己負担の割合は1割、または一定以上の所得のある人は2割とされていましたが、2018年8月から65歳以上の方で現役並みの所得のある方は、自己負担の割合が3割となります(表)。

 要介護・要支援認定を受けた方は、市区町村から発行される負担割合証の「利用者負担割合」の欄でご確認ください。

表:費用負担割合の違い
負担割合条件
1割 年金収入とその他の合計所得金額の合計額が単身世帯で280万円未満、2人以上の世帯で346万円未満
2割 年金収入とその他の合計所得金額の合計額が単身世帯で280万円以上、2人以上の世帯で346万円以上
3割 65歳以上の方で合計所得金額が220万円以上の方、かつ世帯の65歳以上の方の「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で340万円以上、2人以上の世帯で463万円以上

介護保険サービスの種類

 介護保険で利用できるサービスには、要介護1~5の方が利用できる「介護給付」と、要支援1~2の方が利用できる「予防給付」に分けられます。介護給付には、「居宅介護支援」「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があります。予防給付には、「介護予防支援「介護予防サービス」「地域密着型介護予防サービス」があります。この他に、住宅の改修にかかった費用のサービスもあります。

介護の相談・ケアプランの作成

  • 居宅介護支援

自宅で受けるサービス

  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護

施設で行うサービス

通所

  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 療養通所介護

短期宿泊

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

訪問・通い・宿泊のセットサービス

  • 小規模多機能型居宅介護
  • 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

施設等に入るサービス

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設
  • 特定施設入居者生活介護
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護

その他のサービス

  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
  • 居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)

 主な介護サービスの詳細はそれぞれのページをご覧ください。

参考文献

  1. 厚生労働省 平成30年8月から現役並みの所得のある方は、介護サービスを利用した時の負担割合が 3割になります(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 厚生労働省 介護報酬のしくみについて(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 厚生労働省 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 厚生労働省 公的介護保険制度の現状と今後の役割(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 厚生労働省 介護高齢者福祉 介護報酬(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 厚生労働省 公表されている介護サービスについて(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  7. 一般社団法人高齢者住まいアドバイザー協会著:高齢者住まいアドバイザー検定R公式テキスト, 第2版, ブックウェイ, 兵庫県,2018年, P74
  8. 牛越 博文 (監修):図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本 (介護ライブラリー). 初版. 講談社. 2018年, P38,P40

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