長寿科学研究に関する情報を提供し、明るく活力ある長寿社会の実現に貢献します。

遺伝子発現変動から探る脳老化制御のホットスポット

 

公開月:2025年7月

 米国北西部のシアトルに脳科学研究を主導するアレン研究所がある。MITの利根川研究室から移籍した中国系アメリカ人ホンクイ・ツエン率いるラボで老若マウス(2か月齢と18か月齢)の脳を16領域に細分して120万個以上の脳細胞での遺伝子発現の変化を細胞ごとに精査分析した。その結果、視床下部の第三脳室周辺領域に顕著な違いを発見した。そこは食物摂取やエネルギー恒常性など、栄養代謝制御の中核となる部位だった。ニューロン以外にもグリアや周辺部の上衣細胞での変化が大きい。今後、より高齢での変動やヒトでの変化に興味がわく。生命維持の根源ともいえる脳領域での加齢変動の意義が今後注目されるだろう。

文献

Jin K, et al., Nature. 2025; 638(8049): 182-196

筆者

森 望(もり のぞむ)
福岡国際医療福祉大学特任教授

以下をクリックすると機関誌の内容をご覧になることができます。

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2025年 第34巻第2号(PDF:7.0MB)(新しいウィンドウが開きます)

WEB版機関誌「Aging&Health」アンケート

WEB版機関誌「Aging&Health」のよりよい誌面作りのため、ご意見・ご感想・ご要望をお聞かせください。

お手数ではございますが、是非ともご協力いただきますようお願いいたします。

WEB版機関誌「Aging&Health」アンケートGoogleフォーム(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)