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レジスタンス運動の効果と方法

公開日:2016年7月25日 08時00分
更新日:2019年2月 1日 18時23分

レジスタンス運動とは

 筋力は一定の負荷をかけることによって維持・向上します。筋に負荷をかけたトレーニングのことをレジスタンス(Resistance:抵抗)運動といいます。筋力トレーニング=レジスタンス運動と考えても良いでしょう。レジスタンス運動は自分の体重やチューブ、ダンベル、バーベルなど負荷のかけ方によって行い方が変わるため、種類は多岐に渡ります。

レジスタンス運動の目的

 レジスタンス運動は主に筋力を向上させることを目的に行われます。さらに負荷や頻度、回数を調整することで筋力だけでなく、筋持久力、筋パワーを向上させることができます。筋力を高めることで、次の効果があります。

筋力を高める効果

  • 日常生活がより楽に行えるようになること(階段の昇降や買い物袋の持ち運びなど)
  • 慢性疾患を予防、改善すること(骨粗鬆症、2型糖尿病、肥満など)

 そのため筋力トレーニングは若者が行うイメージがありますが、その重要性はむしろ加齢とともに増加するといえます1)

レジスタンス運動の効果

 レジスタンス運動を始めたばかりの初期では、神経系の機能が向上することでより多くの筋線維が動員されるようになります。その後、筋線維が太く強くなっていきます。レジスタンス運動を行うことで筋力、筋持久力、筋パワーが向上し、同時に運動の種類によっては関節可動域(柔軟性)、バランス能力の向上も期待できます。そのため日常生活では転倒や障害の予防、スポーツの場面ではパフォーマンスの向上など、目的に応じて適切に行うことで多くの効果を得ることができます。

レジスタンス運動の種類

 レジスタンス運動は大変多くの種類があります。その中でいくつかご紹介します。

自重でのスクワット

 自重でのスクワットは全身の筋力を強化することができます。特に大腿四頭筋、大臀筋を鍛えることができます。

 足を肩幅に開いて立ち、お尻をうしろに突き出すように腰を下ろします。膝だけを曲げて行うと、膝がつま先よりも大きく前に出てしまい膝に負担がかかるため、股関節を曲げることを意識します。視線は自然と前を向き、重心がぐらぐらしないようにしながら椅子からの立ち座りを繰り返します(図1)。

図1:自重でのスクワット。椅子を利用し立ち座りを繰り返します
図1:自重でのスクワット

自重での背面筋群の運動

 背面の筋力は低下しやすく、猫背や肩こり、腰痛など様々な障害を引き起こします。簡単にできる背面筋群のレジスタンス運動の一つを紹介します。この運動は、主に広背筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることができます。

 仰向けになり、膝を直角に曲げた姿勢から、息を吐きながら腰を持ち上げます。このときも呼吸は自然に続けます。腰を上げすぎず低すぎず、首から膝までが一直線の状態を維持します。腰を下ろすときは、首の方からゆっくりと床に下ろしていきます(図2)。

図2:背面筋群の運動を示すイラスト。仰向けになり、息を吐きながら腰を上げる運動
図2:背面筋群の運動

腕立て伏せ

 腕立て伏せは、主に上腕三頭筋、体幹(前面部)を鍛えることができます。

 図3のように手を床に肩幅より広めにつき、膝またはつま先を床につけます(図は膝を床についた状態)。頭から床についた膝またはつま先が一直線の状態を保ったまま、肘を曲げて上体を下ろします。このとき、腰が反るまたは曲がってしまわないように意識します。肘を曲げて下ろせるところまで上体を下ろしてから、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。

図3:腕立て伏せを示すイラスト。手を床に肩幅より広めにつき、膝またはつま先を床につける。肘をまげて状態をおろし、肘を延ばして元に戻る動作を繰り返す
図3:腕立て伏せ

レジスタンス運動の注意点

 レジスタンス運動では、力を入れるため息が止まりやすくなります。しかし、息を止めてしまうと血圧が上がりやすくなるため、運動中は意識的に呼吸を続けてください。呼吸は力を入れるときに息を吐くようにします。

 また、レジスタンス運動では筋への負荷だけでなく筋が付着している関節や骨にも大きな負荷がかかります。運動の前後には必ずウォーミングアップとストレッチングを行ってください。運動後に適切にストレッチングを行うことで筋肉痛を軽減することができます。

 健康上に不安がある人や運動習慣がない人は、レジスタンス運動を行う前に医師の診察を受け、運動禁忌がないことを確認することをおすすめします。

レジスタンス運動はどこでできるか

 自重のレジスタンス運動は、自宅など場所を選ばずに行えます。運動の内容によっては、家事の合間や電車での移動中など隙間時間で行うことができます。また、フィットネスジムや、トレーニングルームを完備した体育施設でも自由にレジスタンス運動を行うことができます。施設によって設置されているマシンや用具が異なりますので、自分のトレーニング方法に適した場所を選ぶことが継続のために大切です。

参考文献

  1. ACSM(アメリカスポーツ医学会) 運動処方の指針 運動負荷試験と運動プログラム 原書第8版 南江堂2013

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