健康長寿ネット

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歩行

公開日:2016年7月25日 13時00分
更新日:2019年2月 1日 17時22分

健康な人は足腰が丈夫

 私たちが歩くとき、下肢を振り上げるために働くのが大腿直筋、外側広筋などの大腿四頭筋、腸腰筋、前脛骨筋です。

 そして、振り上げた下肢を前方に移動させるのが大臀筋や中臀筋、腓腹筋やヒラメ筋です。その他にも、上半身の姿勢を維持するために、脊柱起立筋や腹直筋が使われます。

 また、腕を振り続けるために、大胸筋や上腕二頭筋・三頭筋というように、下半身の筋を中心に全身の70%〜80%の筋が使われているのです。これらの筋の活動は、歩いているときに皮膚の上から軽くさわると感じることができます。

 以上のことから「足腰を鍛える」という意味が理解できます。足(脚)と腰は健康を支えるひとつの要です。高齢者でも、健康な人は足腰が丈夫です。歩くことで、腹筋や背筋を鍛えることになり、腰痛知らずのからだになるのです。その他にも、歩くことによって、平衡感覚(バランスのよさ)や敏捷性(すばやさ)を維持・向上させることができます。

正しい歩き方

 「歩き」は筋に対する負荷が大きくありませんが、反復回数を増やす、すなわち、たくさん歩くことによって、筋力(リンク1参照)の維持・向上につながります。その他、肥満の予防・解消、高血圧の予防・解消、骨粗鬆症の予防、不眠症の解消、糖尿病の改善、コレステロールの減少という効果があります。

 しかし、正しい歩き方をしないと、よい効果を得られません。正しい歩き方とは、「理にかなっていて、無駄がなく、効率的である」という意味です。歩くときには、次の点に気をつけましょう。

  • 目線を歩く方向に向けると、頭が左右にぶれなくなり。疲れにくくなります。
  • 肩の力が入らない程度に、背筋を伸ばすと、腕を振りやすくなります。
  • 足はかかとから地面につくと、転倒しにくくなります。
  • 軸足の膝をしっかり伸ばすと、腰の位置が高くなり、歩幅が広がります。
ウォーキングをしているイラスト。歩行を行う際には、大腿直筋、大臀筋、大胸筋など様々な筋肉を使います。足腰が丈夫なことは健康を支えるひとつの要になります。また、たくさん歩くことによって、筋力の向上、糖尿病の改善、生活習慣病予防などの効果もあります。

リンク1 「高齢者の握力測定」

体調に合わせてマイペースで

 歩く速さは心拍数(リンク2参照)を目安にします。カルボーネン法により、歩行中の目標心拍数を算出しましょう。安静時心拍は5分間椅子に座ってから測定しましょう。

歩行中の目標心拍数 =(220−年齢−安静時心拍)×運動強度%+安静時心拍

リンク2 「心拍数と運動強度」

 運動強度は当日の体調に合わせて40〜75%にします。なお、心臓などに疾患をお持ちの方は、専門の医師の運動処方を受けてください。

 健康日本21では日常生活における歩行を、男性9200歩,女性8300歩としています。息がはずむ程度のスピードで1回30分を目標に、体調に合わせてマイペースで実施しましょう。

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