健康長寿ネット

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徘徊の対応

認知症の周辺症状

 認知症の症状には、「記憶障害」、「判断力の低下」、「見当識障害」などの必ずみられる症状と、それに伴って起こる、妄想、幻覚、睡眠覚醒リズム障害、徘徊、食行動異常、介護に対する抵抗、暴行、暴言、攻撃性、不安、焦燥、抑うつなどがあります。

徘徊の対応

 外出して迷子になってしまう(徘徊)の具体的な対応策を示します。

 個々のケースでうまくいく場合もあります。参考としましょう。

(1)徘徊する場合への対応

  1. 行動や状況をよく観察し、なにかストレスになっていることがないか冷静に考えて、できればストレスを解消するようにします。
  2. 介護する御家族は、認知症の方に、「迷子になるのだから、出て行っちゃだめ」、といって、玄関に鍵をかけて、家に閉じこめてしまうのはよくありません。欲求不満となって別の行動を誘発したりします。
  3. 徘徊がひどくて何度も外に出てしまうようなときなど、やむを得ない場合は、動き回れるような空間を家の中に確保し、玄関などに鍵をかけます。本人の目の届かない位置に二重ロックをかけ、夜は特に厳重にします。鍵をかけることをしても、閉じこめてしまうのではなく、時間を決めて一緒に外へ散歩に出る機会をつくったり、買い物に出かけるなど、気晴らしを行うことが必要です。
  4. 外に出ないための工夫として、介護者は声をかけて、他のことに関心を向けさせ、外出を思い止まらせましょう。たとえば、お茶やお菓子に誘ってみたり、本人が好んでいることで誘うのもよいでしょう。
  5. 介護保険でデイサービスを利用します。認知症の初期の方は、まだ体力やエネルギーをもてあましていることが多いので、本人がいやがらなければデイサービスへ通って、身体を動かすこともよいでしょう。

(2)外に出てしまったときの対応

  1. ドアにチャイムなど出て行ったのを検知する装置を設置し、出て行くのをキャッチすることが必要です。
  2. 外に出てしまったときは、ついて歩き、ご近所を一回りしたり、ときにバスなどを利用したりして、一定の満足を得たと考えられた時に上手に誘導して家に連れ帰ります。
  3. 目を離したすきにどこかへ行ってしまう場合、本人も家に戻れなくて困っているわけですから、早く捜さなくてはなりません。ふだんから衣類の内側に住所や氏名などを記載したものを縫いつけたり、ポケットに入れておいたり、ペンダントなどに住所、名前を彫ったり、お守りのなかに名札を入れておくのもよいでしょう。
  4. 常日頃からの行動から行き場所の見当がつけば、まずそこを捜します。近所の人に気をつけてもらうように協力をお願いしたり、交番や駅の改札などに協力を頼みます。近所や心当たりを捜して見つからない場合、保護願いを出しましょう。
  5. 徘徊する認知症の方を探索するシステムを活用します。
     市区町村の相談窓口か地域包括センターに相談するとSOSネットワークを利用できます。認知症の方が迷子になったとき、警察や消防署、役所などと連絡を取り合って捜すシステムです。
  6. 徘徊する認知症の方の位置情報システムを利用します。
     市区町村によっては、GPS機能(リンク1参照)をもった携帯端末機を貸し出してくれます。それを本人の服に縫いつけたり、お守りに入れたりしておけば、行方不明になったときにパソコンで居場所を確認し、捜し出すことができます。
  7. 徘徊後は、体力を消耗するので、要注意です。徘徊は、エネルギーを使うものです。徘徊した後には体力を消耗し、脱水症状になることもあるので、水・スポーツドリンク・飴玉などを持参して、迎えに行きましょう。また腰痛や足の痛みが出ることもあるので、注意しましょう。

参考文献

  1. 杉山弘道:認知症老人の異常行動 牧歌社 兵庫県 2007:63-223
  2. 伊苅弘之:実践 タイプ別重症度別認知症ケア 日総研出版 名古屋市
  3. 西村 浩:BPSDの概念と対応。老年精神医学雑誌, 20, Sup.3, 87-94, 2009
  4. 認知症介護研究・研修センター東京センター、大府センター、仙台センター編:認知症の人のためのケアマネジメント センター方式の使い方・生かし方 中央法規出版  東京 初版 2011

リンク1 「GPS」

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