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動悸

公開日:2016年7月27日 00時00分
更新日:2019年6月19日 14時19分

動悸の症状

 動悸は、普段は感じることのない心臓の鼓動を感じる状態です。たとえば全速力で走ったり、びっくりした時に胸がドキドキするのも動悸です。そのほかに1回だけドキッと拍動を感じたり、脈がとんでいるのを感じる、心臓が口から飛び出しそうと表現する人もいます。特に思い当たる原因がなく動悸を感じるときには病気が隠れていることもあります。

動悸の原因

 動悸のすべてが病気ではありません。しかし一部の動悸では以下のような心臓の病気からきているものや心臓以外が原因であるものがあります。

心臓に原因がある病気

  • 心不全
  • 弁膜症
  • 肥大型/拡張型心筋症
  • 不整脈(心房細動・心房粗動・発作性上室性頻拍・期外収縮・徐脈頻脈症候群など)

心臓以外に原因がある病気

  • 貧血(出血・鉄欠乏性貧血・慢性骨髄性白血病など)
  • 甲状腺機能亢進症
  • 呼吸不全
  • 褐色細胞腫
  • 心臓神経症
  • パニック障害
  • 低血糖
  • 発熱

動悸の診断

 診断には動悸を感じたときのエピソードが重要です。いつから始まったのか、続いているのか繰り返しているのか、何をしているときに起きたのかなど忘れないようにメモしておきましょう。

 診察では実際に脈をみたり、心音を聴診して心臓の病気の可能性を判断します。補助的に血圧や体温を測定したり、全身のむくみや眼瞼結膜で貧血の有無を判断します。

 心臓の病気が否定できない場合は心電図で実際の脈をみたり、心臓超音波を用いて心臓の動きや血液の逆流がないかをみます。受診時に動悸がない場合には心電図をつけて1日過ごす24時間心電図を行うこともあります。

 心臓以外の原因が考えられる場合は血液検査で貧血や血糖値、甲状腺ホルモンの量などを測定します。

動悸の治療

 動悸はすべてが治療を必要とするわけではありません。心電図などで問題のない動悸と診断された場合は症状が強くない限りそのまま様子をみることもあります。

 不整脈が原因で治療が必要な場合は以下のような治療があります。

  • 内服薬
  • カテーテルアブレーション(血管から心臓まで管を通して、不整脈の原因になっている部分を焼く)
  • 電気的除細動(一部の不整脈では電気的にリセットするために、体外から電極をあてて電気ショックを与えます。意識がある人では軽い全身麻酔をかけて行います。すぐに効果があらわれ、ほかの症状がなければ入院も不要です。)
  • ペースメーカー(一時的な治療であれば皮膚の表面に電極を貼って電気を管理・発生させます。長期の治療が必要な場合は血管内を通して心臓に電線を留置し、本体を胸の皮膚の下に埋め込みます。)

 貧血や甲状腺機能亢進症などは原因となる疾患の治療をすることで動悸が改善します。

 動悸の中には心臓神経症といって心臓そのものに病気がないにもかかわらず、動悸や胸痛といった心臓に関連した症状があらわれます。様々な検査をしても異常はありませんが、心臓病ではないかという不安が常にあり、普段でもあるようなちょっとした症状に過敏に反応してしまいます。このような不安が強く、検査結果に異常がないといわれても改善しない場合には心療内科や精神科での治療が必要になることもあります。

動悸の予防、ケア

 動悸は様子をみてよいものから緊急に治療を要するものまで様々です。一般的には動悸以外に症状を伴う場合や原因なく繰り返す場合は病院を受診したほうがよいでしょう。たとえば動悸とともに意識を失ったり、ふらついたり、胸が痛くなったり、息切れがしたりといった場合は緊急性が高いことが多いため受診が勧められます。

 ペースメーカーを留置している人は日常生活で注意が必要です。かならずペースメーカーを使用していることを証明する「心臓ペースメーカー手帳」を持ち歩きましょう。携帯電話はペースメーカーから15㎝以上離して使用します。空港での金属探知機や公衆浴場の電気風呂は避けましょう。磁気(ネックレスなど)にも注意が必要です。最近の店では盗難防止のために電子商品監視機器が出入り口に設置されています。店の出入り口では立ち止まらず、真ん中を素早く通り抜けましょう。

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