健康長寿ネット

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嚥下困難

嚥下困難の症状

 誤嚥の典型的な症状としては食事中の激しいむせと咳があります。そして、呼吸困難になることもあります。顔の表情の変化としては紅潮がみられることあり、時には顔面が紫色のチアノーゼになることがあります。

 飲み物や食べ物以外でもむせやせき込むことが多くなります。

 また嚥下困難な状態を見つけるための注意点としては次のようなことがあります。

  • つばの飲み込みの時にむせることがある
  • 食事の時に食べ物がなかなか飲み込めない
  • 義歯などの噛み合わせが悪い
  • 食べ物をしっかり咬まずに飲み込むことが多い
  • 食事が進まず体重が減る

嚥下困難の原因

 高齢になるとのどの筋肉が萎縮しやすくなり衰えます。また分泌力も低下します。加齢によるのどの変化がひどくなると様々な障害が起こりえます。

 高齢者の嚥下障害の原因については幾つかの要素が加わって嚥下困難となることが多くなります。身体的なもの、精神的なもの、環境的なものなどが関係していると考えられます。

 嚥下障害の原因については以下の点について考えられます。

  1. 脳の伝達機能の低下
  2. 食事に対する意欲低下

1.脳の伝達機能の低下

 食べ物を食べる時に口の中に食べ物がある時に口の中で咬んで、飲み込むといった脳での指令が若い時よりも遅くなってくるものがあります。また、加齢による影響以外にも、脳血管障害や、神経変性疾患によって起こることがあります。神経変性疾患とは、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などによって、脳の神経細胞の一部が機能障害となる疾患のことです。

2.食事に対する意欲低下

 若い時よりも食べ物を食べたいという意欲が減ってくることがあります。食事に対する意欲が減ることで、食事の時の口の中で充分に唾液が分泌しなくなり、のどに食べ物が通りにくくなってきます。

嚥下困難の診断

 嚥下困難の場合、問診やスクリーニングテストなど行って総合的に判断することができます。場合によっては、のどの状態をレントゲン撮影する、あるいは内視鏡で観察することもあります。

 嚥下困難を診断するためのスクリーニングテストについては幾つかの方法があります。

  • 水飲みテスト
  • フードテスト
  • 反復唾液嚥下テスト

フードテスト

 ティースプン1杯(3~4g)のプリンやゼリーなどの食品を摂取します。嚥下後に空嚥下を2回行いその時嚥下状態や口腔内の状態を調べるものです。状態を5段階評価で評価します。4以上の場合は更に2回行います。

反復唾液嚥下テスト

 30秒間でどのくらい唾液が飲み込めるか、そして飲み込んだ時の状態などを調べるものです。

 こういった飲み込みの時の、のどの動きや状態をテストすることで嚥下状態を判断します。

 スクリーニングテスト以外の方法としては、嚥下造影検査といって、バリュウムの含まれた食品を食べてのどの動きをレントゲンで撮影や、嚥下内視鏡検査といったものがあります。

嚥下困難の治療

 嚥下困難の治療については保存的治療と外科的治療があります。まず、リハビリテーションなどの保存治療を行い改善されない場合は外科的治療を行う場合もあります。

 医師や言語聴覚士や理学療法士の指導のもとで口や舌、のどの機能回復のリハビリテーションが嚥下困難の治療の中心となります。むせや咳がひどい場合は薬物療法を考慮することもあります。また、生活指導などがあります。しかし、嚥下困難の為、誤嚥性肺炎などが起こることが多くなる場合や、自分で食事を取摂することが困難な場合は気管切開などの外科的治療が行われることがあります。

嚥下困難の予防とケア

 日常的な口腔ケアを行うことで誤嚥の予防、そして、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。また、口やのど以外に体全体の健康維持と向上にもつながります。

 嚥下困難に対するケアには次のようなものがあります。

  • 義歯の調整、噛合せを改善する
  • 口腔内を清潔にする(食後の歯磨き、うがいや歯科受診で虫歯や歯周病を治療する)
  • 食事前に嚥下体操を行う(パタカラ発生法や口や舌の運動)
  • 食事形態に注意する(食品を小さく一口大にする事や飲み物にとろみをつけるなど)
  • 食事の時、食べる事に集中する
  • 食べる時の姿勢に注意する(あごが上がらない、足を組まないなど)

 普段の生活の中で簡単にできることをまず行うことで嚥下困難を改善できることが多くあります。

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