健康長寿ネット

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オートファジー亢進で健康長寿

公開日:2018年10月23日 16時00分
更新日:2022年12月 2日 14時17分

 ハエや線虫など下等な生物でオートファジーを活性化すると長寿になることがわかっている。より高等な生物ではどうだろうか?今回、米国テキサス大学のグループが基礎的なオートファジーを恒常的に促進する遺伝子変異を導入したマウスを作成したところ、雌雄とも寿命が延び、腎機能や心機能も亢進、健康長寿を具現化できたとしている。これはBCL2という細胞死抑制蛋白質と結合するベクリン1という分子に変異を導入したものだ。その部分変異でこの蛋白質間の結合を阻害するとオートファジーが進んで健康長寿となる。しかも興味深いことに、短命で知られたクロトー変異マウスにこのベクリン1の変異を導入すると、なんと延命した。クロトー変異で障害されるリン酸、カルシウム代謝までもが細胞の自浄作用の影響を受けるらしい。今後オートファジーの亢進化薬剤も健康長寿へのカギになるのかもしれない。

文献

Fernandez AF,et al. Nature 2018;558:136-140

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.87(PDF:4.0MB)(新しいウィンドウが開きます)

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