父親の高齢化と子どもの精神発達障害のリスク
公開日:2021年10月13日 09時00分
更新日:2022年12月 2日 11時56分
晩婚化が次世代への健康リスクを高めることへの懸念がある。精神遅滞や自閉症スペクトラムなど、子どもの神経発達障害が親の遺伝子ゲノムの劣化(あるいは変化)に影響される可能性があるのだ。東北大学の大隅典子らは、父親の年齢が次世代の脳神経発達へ及ぼす影響について行動生理学的に、また分子生物学的にアプローチすることを試みた。マウスでの研究だが、父親の年齢が高くなるほど生まれる子どもの脳神経系の遺伝子変調を助長し、発達障害のリスクが高まる。その背景には精子ゲノムでの加齢依存的なメチル化変動があり、REST遺伝子による包括的な神経遺伝子抑制が関与すると結論した。老化に関して、世代を超えての健康リスク管理へ新たな視点から警鐘を鳴らしている。
文献
Yoshizaki K, et al., EMBO Rep. 2021; 22: e51524
転載元
公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.99(PDF:7.0MB)(新しいウィンドウが開きます)
無料メールマガジン配信について
健康長寿ネットの更新情報や、長寿科学研究成果ニュース、財団からのメッセージなど日々に役立つ健康情報をメールでお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は登録ページをご覧ください。
無料メールマガジン配信登録
令和6年度 長生きを喜べる長寿社会実現研究支援の公募
公益財団法人長寿科学振興財団は、「長生きを喜べる長寿社会の実現~生きがいのある高齢者を増やす」をビジョンに掲げ、研究開発助成事業を実施しております。
当財団のビジョンを実現するために、令和6年度長寿科学研究者支援事業「長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」にて、探索研究から社会実装、持続的な事業化に向けた課題解決型のプロジェクトの提案を募集します。
当財団は日本の高齢社会における問題の解決に向け、私たちのビジョンに共感してくださる方々からのご提案をお待ちしております。
令和6年度 長生きを喜べる長寿社会実現研究支援の公募 公益財団法人長寿科学振興財団(新しいウインドウが開きます)
寄附について
当財団は、「長生きを喜べる長寿社会実現」のため、調査研究の実施・研究の助長奨励・研究成果の普及を行っており、これらの活動は皆様からのご寄附により成り立っています。
温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ご寄附のお願い(新しいウインドウが開きます)