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老化脳での神経興奮抑制と寿命延伸

公開日:2020年4月30日 09時00分
更新日:2022年11月30日 14時29分

 死亡年齢が80歳以下と85歳以上の集団での脳内遺伝子発現を最新のゲノムアレイとRNA配列解析で網羅的に精査すると、神経興奮やシナプス機能を抑え免疫系の機能が亢進していた人ほど長命という結果になった。その鍵を握る転写因子はRESTだ。寿命研究のモデル生物の線虫でそれに相当するのがSPR-3SPR-4なのだが、これを過剰発現すると線虫は長命になる。その神経系での発現を抑えると、逆に短命化する。他にも多様な実験を含めて、とにかく老齢期での過剰な神経興奮をREST/SPR系で抑えると、人も線虫も長寿化する。老化脳でRESTは、寿命制御に重要なFOXO1の発現を誘発する。線虫で有名なdaf-2変異も含めて従来の主要な寿命制御シグナル経路がREST/SPR系で制御されるという結果だ。ハーバード大学からの報告である。

文献

Zullo JM, et al. Nature. 2019; 574: 359-364

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.93(PDF:10.1MB)(新しいウィンドウが開きます)

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