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ゲノム編集の落とし穴:CRISPRベビーは短命か?

公開日:2019年10月10日 11時23分
更新日:2022年11月30日 13時03分

 昨年の秋、中国から衝撃のニュースが入った。ゲノム編集をしたヒトの子が生まれた。そのベビーはHIV耐性になるはずだ。改変のターゲットはCCR5という遺伝子。これはHIV感染の初期に働く。だからこれを阻止して感染を防ごう。こうしてHIV陽性の父親の精子からCRISPRによるゲノム操作で双子が生まれた。だが今回、カリフォルニア大学バークレー校のWeiらが英国の41万人のバイオバンクのデータから推定すると、染色体の両方のCCR5遺伝子に変異がある人の生存率は21%下がり、76歳を超えるのはむずかしいという。昨秋のHe Jiankuiの試みはやはり無謀との批判を免れないだろう。

文献

Wei X,et al. Nature Med 2019 ; 25 : 909-910

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.91(PDF:4.8MB)(新しいウィンドウが開きます)

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