健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

明るい長寿社会

高齢者の生活機能・10年間で5歳若返り

 今や日本人の平均寿命は女性で87歳、男性で80歳を上回っています。高齢者の健康度の総合的な指標とされる高次生活機能(老研式活動能力指標)の時代による変化を見てみると、グラフに示しているとおり10年間で5歳程度も若返っています。ということは単に長生きするだけでなく、現在の高齢者はさらに元気で長生きできる可能性が高いといえます。仮に60歳で定年退職したとするとあなたならば余生の20年間をどのようにして暮らそうとお考えになるでしょうか?

グラフ:生活機能得点(老健式活動能力指標)の時代による差を表したグラフ。65歳から84歳の男女を点数化し1988年から10年間の生活機能向上指数が5歳若返っていることを示している。東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター)による長期プロジェクト研究における秋田県N村調査より引用。

グラフ:生活機能得点(老研式活動能力指標)の時代による差

サクセスフル・エイジング(健やかな老い)

 老年学の先進国である米国では高齢になっても心身の障害がなく、いつまでも自立した幸せな社会生活を送ることを「サクセスフル・エイジング(健やかな老い)」と呼び高齢者の望ましい老いの姿であると考えられてきました。さらに1990年代初頭から高齢者が長く貯えてきた生産的な側面をproductivity(プロダクティビティ)と呼び、サクセスフル・エイジング(健やかな老い)の必要条件の一つとして位置づけています(リンク1参照)。

リンク1 「サクセスフル・エイジング」

プロダクティビティの定義

 当初は高齢者におけるプロダクティビティとは「有償労働(就労)」「無償労働(家事手伝い、介護や孫の世話など)」「ボランティア活動」「相互扶助」「保健行動(自分自身による健康管理)」の5つの活動をさすと定義されました。ここでいうプロダクティビティの定義によると有償、無償を問わずに経済的価値の伴う物品やサービスを産出することを指し、「保健行動」といった健康障害を予防し家族や周囲に負担をかけない間接的な付加価値までも含みました。

 これまで、わが国の高齢者からは「若い者の迷惑にならないように・・・」という言葉をしばしば耳にしました。しかし、「迷惑にならない」だけでは頼りにすべき「若い者」が少なくなる(=少子化)これからの時代を乗り越えこえることは困難でしょう。元気な高齢者はなんらかの社会的な役割を担い続けることが明るい長寿社会の一助と言えます。

 高齢者の幸福のみが優先されるのではなく、世代間の協調、次世代への貢献という視点を重視しプロダクティビティを定義した場合には、自分のためだけの保健行動や趣味・レクリエーション活動は除外されることになりましょう。

 そこで、米国の老年学者Herzog博士は「有償労働」「無償労働」「他人への支援提供(=ボランティア+個人的な相互扶助)」の3種類の活動をプロダクティビティと定義しました。

明るい長寿社会づくり推進機構

 わが国では都道府県の「明るい長寿社会づくり推進機構」(以下「推進機構」という。)が設立されました。高齢者の8割強は介護を必要としない自立高齢者であり、このような元気な高齢者が、各自の能力を活かしボランティア活動などを通じて地域社会に積極的に参加することは、より自分らしく生きがいのある人生を送ることにつながります。

 推進機構は、高齢者の価値観の多様化する中、明るく活力ある長寿社会の実現に向けて、社会活動の振興のためのリーダーやサポーターの養成や、関係組織や地域で活躍している方々の連携を支援しています。

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