健康長寿ネット

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地域の高齢化と健康データ

高齢化の地域差

 わが国の少子高齢化は予想を越えるスピードで進行しています。しかし、この少子高齢化の波は全国一律に起きているわけではありません。

 グラフ1は、都道府県の老年(65歳以上)人口割合を少ない順にならべたものです。この年の全国平均は23.3%ですが、全都道府県の約2/3(35県)は全国平均を上回っていることが分かります。老年人口割合が最も高い県は、秋田県で4人に1人以上(29.7%)が高齢者です。一方、最も低い県は沖縄(17.3%)でその差は、11.5%にも及びます。

 これを市町村別(2010年、国勢調査)にみると、最も高齢化が進んでいるのは市では北海道夕張市の43.8%、町では福島県金山町の55.0%、村では群馬県南牧村の57.2%です。一方、最小地区は市では千葉県浦安市の11.7%で、町では愛知県長久手町の13.1%、村では東京都小笠原村の9.2%で、市町村別にみると高齢化の地域差は極めて大きいことが分かります。これらのことから考えて、各自治体が抱える高齢者の保健福祉ニーズにはかなりの地域格差があることがうかがえます。 (リンク1参照)

グラフ1:都道府県別老年(65歳以上)人口割合を示した棒グラフ。総務省統計局「平成23年10月1日現在推計人口」より引用。

グラフ1:都道府県別老年(65歳以上)人口割合(%)
表1:都道府県別老年(65歳以上)人口割合
順位都道府県名老年(65歳以上)人口割合(%)
1 沖縄県 17.3
2 愛知県 20.6
2 神奈川県 20.6
2 東京都 20.6
5 滋賀県 20.9
5 埼玉県 20.9
7 千葉県 22
8 栃木県 22.3
9 宮城県 22.4
10 福岡県 22.5
11 大阪府 22.7
12 茨城県 22.9
13 兵庫県 23.4
14 京都府 23.7
15 石川県 23.9
15 群馬県 23.9
17 静岡県 24.1
18 広島県 24.3
18 岐阜県 24.3
20 奈良県 24.4
20 三重県 24.4
22 佐賀県 24.7
23 山梨県 24.8
24 福井県 25.2
24 福島県 25.2
24 北海道 25.2
27 岡山県 25.4
28 熊本県 25.8
29 宮崎県 25.9
30 香川県 26.1
30 青森県 26.1
32 長崎県 26.2
33 鳥取県 26.4
33 富山県 26.4
33 新潟県 26.4
36 鹿児島県 26.5
37 長野県 26.7
38 大分県 26.8
39 愛媛県 26.9
40 徳島県 27.1
41 岩手県 27.3
42 和歌山県 27.5
43 山形県 27.6
44 山口県 28.2
45 高知県 29
46 島根県 29.1
47 秋田県 29.7

リンク1 「日本における長寿社会」

高齢者の平均余命

 日本人の平均寿命は、平成28年簡易生命表によると男80.98歳、女87.14歳に達しています。一方で男に比べ女の平均寿命の伸びが大きいことから、男女の平均寿命の差は、昭和25年(1950年)に3.4歳であったものが、平成28年(2016年)には6.16歳にまで拡大しています。

 グラフ2、3は、都道府県別の65歳平均余命(65歳の人の平均生存年数)を示したものです。平均余命が最も長いのは、男性は長野県で19.71年、女性は沖縄県で24.89年、また、最も短いのは、男性は青森県で17.59年、女性は栃木県で23.22年となっています。このように高齢者における平均余命は全国均一ではなく相当の地域差があることが見てとれます。

グラフ2:都道府県別の男性65歳の平均余命を示した棒グラフ。内容は以下に掲載。資料:厚生労働省「平成22年都道府県別生命表」。

グラフ2:都道府県別平均余命 -男65歳- (単位 年)
表2:都道府県別平均余命-男65歳-
順位都道府県名平均余命(年)
1 長野県 19.71
2 沖縄県 19.5
3 熊本県 19.46
4 京都府 19.2
5 福井県 19.19
6 滋賀県 19.18
7 大分県 19.17
8 広島県 19.1
9 神奈川県 19.06
9 香川県 19.06
11 岐阜県 19.03
12 島根県 18.98
13 千葉県 18.97
13 宮崎県 18.97
15 岡山県 18.96
16 石川県 18.91
16 静岡県 18.91
18 山梨県 18.9
19 奈良県 18.88
20 新潟県 18.87
21 富山県 18.86
22 東京都 18.82
22 山形県 18.82
24 宮城県 18.81
25 群馬県 18.77
26 鹿児島県 18.76
27 徳島県 18.75
27 北海道 18.75
29 長崎県 18.74
29 三重県 18.74
31 愛媛県 18.73
32 兵庫県 18.71
32 埼玉県 18.71
34 高知県 18.69
35 愛知県 18.6
36 福岡県 18.58
36 茨城県 18.58
38 佐賀県 18.56
39 鳥取県 18.47
40 岩手県 18.46
41 福島県 18.45
42 山口県 18.37
43 和歌山県 18.35
44 大阪府 18.31
45 栃木県 18.3
46 秋田県 18.1
47 青森県 17.59

グラフ3:都道府県別の女性65歳の平均余命を示した棒グラフ。内容は以下に掲載。資料:厚生労働省「平成22年都道府県別生命表

グラフ3:都道府県別平均余命 -女65歳- ( 単位 年)
表3:都道府県別平均余命-女65歳-
順位都道府県名平均余命(年)
1 沖縄県 24.89
2 熊本県 24.57
3 島根県 24.51
4 長野県 24.36
5 広島県 24.31
6 福井県 24.29
7 新潟県 24.28
8 鳥取県 24.27
9 富山県 24.26
10 大分県 24.23
10 石川県 24.23
12 岡山県 24.17
13 佐賀県 24.15
14 宮崎県 24.13
15 山梨県 24.09
16 長崎県 24.06
16 愛媛県 24.06
18 北海道 24.05
19 高知県 24.04
20 神奈川県 24.03
21 京都府 23.98
21 山形県 23.98
23 鹿児島県 23.96
24 福岡県 23.95
24 滋賀県 23.95
26 香川県 23.89
27 奈良県 23.86
28 東京都 23.85
29 山口県 23.83
30 徳島県 23.77
31 静岡県 23.71
32 宮城県 23.7
33 岩手県 23.69
34 岐阜県 23.67
35 秋田県 23.64
36 千葉県 23.63
37 兵庫県 23.62
38 三重県 23.61
39 福島県 23.57
40 愛知県 23.54
41 和歌山県 23.52
42 大阪府 23.47
42 群馬県 23.47
44 茨城県 23.44
45 埼玉県 23.42
46 青森県 23.28
47 栃木県 23.22

高齢化と保健福祉水準

 高齢化の進展は、地域の保健福祉データとどのような関連にあるのでしようか。

 グラフ4は、都道府県の65歳以上老年人口割合と主な保健福祉データとの関連の程度を相関係数(+(プラス)でも-(マイナス)でも1に近いほど関連性は強い)で示したものです。

 老年人口の割合は、65歳平均余命とはあまり関連しないようです。本来、平均余命が長い地域ほど老年人口割合が多くなっていいはずですが、若年層の都市部への人口移動が地域の老年人口割合を規定しているためと考えられます。

 健康上の理由で「日常生活に影響がある者」、医療機関への「受療率」、「介護保険施設定員(病床数)」は、老年人口割合との関連が比較的強いようです。また、「平均在院日数」や「要介護認定率」も関連性はやや弱いものの同様の傾向を示しています。これらのことから、老年人口割合が高い地域は、解決しなければならない保健福祉ニーズも多く抱えている地域であるといえます。

グラフ4:都道府県の老年人口割合と保健福祉指標の関連を示す棒グラフ。老年人口の割合は、65歳平均余命とはあまり関連しないことがわかる。 資料1)総務省「平成22年国勢調査抽出速報集計結果」、資料2)厚生労働省「平成22年都道府県別生命表」、資料3)厚生労働省「平成19年国民生活基礎調査」、資料4)「平成20年患者調査」、資料5)厚生労働省「平成22年病院報告」、資料6)厚生労働省「介護保険事業状況報告(平成20年11月)」、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査(平成19年10月1日現在)」

グラフ4:都道府県の老年人口割合1)と保健福祉指標の関連

地域の介護予防事業

 平成18年度から介護保険の要介護認定を受けていない地域の虚弱高齢者に対する介護予防事業が開始されることとなりました。これまでも「介護予防・地域支えあい事業」として各自治体が主体となって取り組んできましたが、その実施状況にはかなりの地域差が見られるようです。

 平成15年度長寿科学総合研究事業による「介護予防事業の有効性の評価とガイドライン作成に関する研究(主任 安村誠司)」によれば、全国の自治体の介護予防事業の実施率は、「運動指導事業(24.4%)」「IADL訓練事業(19.4%)」「閉じこもり予防教室(8.4%)」等に見るように必ずしも普及・定着しているとはいえない実態が浮き彫りにされています。その理由の一つとして自治体のマンパワー不足があげられますが、元気高齢者による共に支えあう活動(ボランティア活動)への期待が高まっているといえます。 (リンク2参照)

リンク2 「地域支援事業」

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