健康長寿ネット

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高齢者の健康意識

公開日:2019年5月31日 09時27分
更新日:2019年5月31日 09時27分

高齢者の健康に関する調査

 高齢者が生涯にわたって生きがいを持ちながら安心して過ごせる社会をつくるために、内閣府では高齢社会対策を進めています。高齢者の健康に関する実態と意識の把握、調査研究の実施など、高齢社会対策の推進に役立てることを目的として、高齢者の健康に関する調査が実施されています。

 内閣府の平成29年(2017年)度の「高齢者の健康に関する調査」のデータから、高齢者の健康意識についてみていきましょう。調査は、全国の55歳以上の男女3,000人(平成29年(2017年)1月1日時点)を対象に、「日常生活に関する事項」、「医療・福祉に関する事項」、「就労状況や社会的な活動に関する事項」について、調査員の面接による聴取で行われました1)

高齢者の自分の健康状態について

 高齢者が自分の健康状態をどのように捉えているかをみてみましょう。

 健康状態について「良い」から「良くない」までの5段階の回答のうち、「良い」、「まあ良い」と答えた人は全体の52.3%、「あまり良くない」、「良くない」と答えたのは18.1%でした。男女間の大きな差はなく、年齢層が高くなるほど、健康状態が「良くない」と感じる人の割合も多くなります(グラフ1、表1)。

グラフ1:年齢層別の高齢者の健康長寿を示す棒グラフ。年齢が高くなるにつれて健康状態が良くないと感じる人の割合が増加することをあらわす。
グラフ1:年齢層別の高齢者の健康状態1)より作成
表1: 年齢層別の高齢者の健康状態
「良い」の合計(%)「良くない」の合計(%)
全体 52.3 18.1
55~59歳 53.6 10.6
60~64歳 53.3 11.1
65~69歳 54.4 13
70~74歳 51.3 19.1
75~79歳 51 26.2
80歳以上 49.5 28.9

 また、都市の規模ごとの健康状態をみてみると、町村よりも大都市で健康状態が「良い」、「まあ良い」と答える人が多くなります。とくに大都市で健康状態が「良い」と回答する人の割合は多く、31.6%となっています(グラフ2、表2)。

グラフ2:都市規模別の高齢者の健康状態を示す棒グラフ。町村よりも大都市で健康状態が良いと答える人が多くなることをあらわす
グラフ2:都市規模別の高齢者の健康状態1)より作成
「良い」(%)「まあ良い」(%)
全体 26.8 25.5
大都市 31.6 24.3
中都市 26.8 26.5
小都市 23.9 24.3
町村 23.6 27.1

高齢者が日頃心がけている健康活動について

 高齢者が健康のために心がけていることについて高齢者の健康に関する調査結果をみていきましょう。あらかじめ用意されている11の活動(グラフ3、表3)の中から複数選択してもよい形式です。

 日頃、「特に心がけていることがある」と回答した人の割合は90.7%で、ほとんどの人が健康を意識して何かしらの活動を行っていることがわかります。半数以上の人が行っていた活動は、「栄養バランスのとれた食事をとる(59.4%)」、「健康診査などを定期的に受ける(53.3%)」、「休養や睡眠を十分にとる(53.0%)」でした(グラフ3、表3)。

画像1:栄養バランスの取れた食事を囲む家族の写真

 とくに、75歳以上では、「栄養バランスのとれた食事をとる」は約6割以上の方が心がけていると回答しています。反対に、割合が少なかった活動は、「酒やタバコを控える(18.3%)」、「地域の活動に参加する(19.4%)」ですが、「酒やタバコを控える」は65歳以上の男性の約3割が心がけており、「地域の活動に参加する」は、70代の男性と65~79歳までの女性で割合が大きくなっている傾向があります1)

グラフ3:高齢者が日ごろ心掛けている健康活動を示す棒グラフ。9割の高齢者が健康に心がけており、とくに栄養バランスのとれた食事や定期的な健診、休養や睡眠について心掛けていることが多いことをあらわす
グラフ3:日頃心がけている健康活動1)
表3:日頃心がけている健康活動
日頃心掛けている健康活動割合(%)
栄養のバランスの取れた食事をとる 59.4
健康診査などを定期的に受ける 53.3
休養や睡眠を十分にとる 53.0
散歩やスポーツをする 47.6
気持ちをなるべく明るくもつ 47.4
趣味をもつ 42.9
医療・健康に関する知識を持つ 36.5
地域の活動に参加する 19.4
酒やタバコを控える 18.3
その他 1.3
特に心掛けていることはない 9.3
特に心掛けていることがある(計) 90.7

高齢者の仕事や社会的活動、生きがいについて

画像2:公園の清掃をするボランティアの写真

 高齢者の仕事や社会的活動を行っているか、生きがいを感じているかについてどのような意識があるか高齢者の健康に関する調査結果をみていきましょう。

 収入のある仕事に就いている人は全体の約4割(798人)であり、仕事をする理由として、「収入が欲しい(58.0%)」、「面白い、自分の活力になる(17.3%)」、「働くのは体によい、老化を防ぐ(14.0%)」で割合が多くなっています。「面白い、自分の活力になる」、「働くのは体によい、老化を防ぐ」という生きがいや健康目的で働いている割合は75歳以上で多くみられます(グラフ4)。

グラフ4:収入がある仕事に就いている割合とその理由を示すグラフ。仕事に就いている理由の多くは収入を得るためだが、年齢が75以上の多くは健康目的や生きがいが理由になることをあらわす。
グラフ4:収入がある仕事に就いている割合とその理由1)一部抜粋

 何らかの社会活動を行っている人は全体で約3割にとどまっています。行わない理由としては「時間の余裕がない」、「体力的に厳しい」、「活動をする意思がない」といった割合が多くみられます(グラフ5)。

グラフ5:社会的活動を行っている割合と社会的活動を行わない理由を示す図。何らかの社会活動を行っている人は全体で約3割にとどまっていることをあらわす
グラフ5:社会的活動を行っている割合と社会的活動を行わない理由1)

 仕事に就いている人が全体の約4割、社会活動を行っている人が全体の約3割という結果ですが、「生きがいを感じている」人は全体の85.6%を占めており、日々の生活に自分なりの生きがいを見出して過ごしている人が多いことがわかります。また、健康状態が良いほど、生きがいを感じている率は高くなります(グラフ6)。

グラフ6:生きがいを感じている人の割合と健康状態を示す図。日々の生活において生きがいを感じている人が85%おり、健康状態が良い人ほど生きがいを感じている割合が高くなることをあらわす
グラフ6:生きがいを感じている人の割合と健康状態1)引用及び作成

高齢者の健康に関する調査結果から見る高齢者の健康意識

 高齢者の健康に関する調査結果のデータを見る限りでは自分は健康だと意識している人は約半数でした。また、健康のための心がけや生きがいを持って生活している人は8~9割と多く、健康を意識しながら充実した生活を送っている人が多いことが伺えます。今後、健康状態の良い人が増加すること、療養しながらも生涯生きがいを感じて過ごせる人が増えることを願います。

参考文献

  1. 内閣府 平成29年高齢者の健康に関する調査結果(概要版)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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