健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

高齢者と地域社会

高齢者と地域社会

 私たちの地域社会は時代とともに大きく変化してきました。高度経済成長時代は全国で都市化が急速にすすみましたが、低成長時代の今日にあっても大都市では依然その傾向が続いています。地方から都市への社会的な人口流出は今日まで一貫して続いており、1980年代以降は少子化による人口減少が、特に地方の高齢化、過疎化に拍車をかけています。

 産業構造もこれまで第一次産業から第二次産業さらには第三次産業へと主役が交代してきました。こうした社会・産業構造の変化とともに、家族形態では核家族化の進行で一人暮らしや二人暮らし高齢世帯が増加し、地域社会における人々の結びつきも地縁・血縁、土地を介したものから市民としての個々なものへと変ってきました。今後の高齢社会において私たちは地域社会とどう関わっていくべきなのでしょうか。

地域社会への関わりと健康余命

 地域社会と積極的に関わりをもつ高齢者ほど健康余命が長いことが知られています。地域社会との関わりは「社会参加」、「社会活動」あるいは「社会的紐帯(ちゅうたい:固く結びつけるもの)」という領域とも共通しますが、その他にも「地域共生意識」、「近所づきあい」という要素を含んでいます。前者は他のコンテンツで触れられているので、本項では「地域共生意識」、「近所づきあい」に絞って述べ、高齢者と地域社会との関わりのヒントを提供します(リンク1・2参照)。

リンク1 「わが国における世代間交流の活動 その1」

リンク2 「わが国における世代間交流の活動 その2」

地域共生意識

 「地域共生意識」とは、地域の人々と何かすることで自分の豊かさを求めたい、近所に一人暮らしの高齢者がいたら何かをしてあげたい、町会や自治会の世話をしてくれと頼まれたら引き受けてもよい、といったいわゆる同時代を生きる人々と手を携えて生きていこうという意識です。

 都内のある地域で行った調査では高齢者の約1/3が「はい」と答えており、潜在的に地域共生意識は高いことがわかります。こうした意識に依拠して、行政等が中心となって高齢者が「社会貢献」できる受け皿を用意し、地域福祉の向上、世代間交流の促進に結びつけ成功している事例があります。

近所づきあい

 高齢社会では制度、政策のみで安心した生活を送ることはできません。それらでカバーしきれない領域に高齢者や地域の力が必要なのです。その意味で「近所づきあい」にも目を向ける必要があります。

 高齢者のふだんの「外出頻度」は総合的な健康指標の一つです。外出の機会が多い高齢者ほど身体・心理・社会的側面の健康度が高く、のちのちも健康度を維持しやすいという研究があります。

 外出頻度の多寡(たか:量)にはいろいろな要因が影響しますが、地域での「近所づきあい」の有無もその要因の一つです。特に年齢が高くなり、からだが不自由になってくると近所周辺が外出先となります。そうした時期に「ご近所さん」があると外出の機会につながり「閉じこもり」が回避できるのです。

高齢社会において安心し充実して暮らす上で「地域社会」は重要な要素です。その意味で「地域共生意識」や「近所づきあい」は私たち自身が見直すべき課題といえるでしょう。

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