健康長寿ネット

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男性の生きがい

プロスキーヤー 三浦雄一郎氏

 三浦雄一郎さんは世界最高齢の70歳と75歳で3度のエベレスト登頂を果たしておられます。99歳の父親と37歳の冬期五輪のスキー選手の豪太さん、その息子と4代でアルプスでスキーを楽しんだことは有名です。三浦雄一郎さんが、エベレストに挑戦する数ヶ月前に、老化度の測定に私の外来にメディアの人と訪れました。

同氏の生活習慣と老化度測定

 この結果は、本人の同意をえて公表してよいことになっています。

 三浦さんは40年以上プロスキーヤーとして活躍し、富士山大滑降ののち、エベレスト大滑降を成功させ映画になりました。煙草は吸いませんが、酒はビール2本を週4回飲んでいます。食習慣は食べたいものを食べたいだけ食べるというものです。身長164cm、体重75kg、BMIは27.5とやや肥満です。

 血液検査では、極く軽度のアルコール性肝障害がある以外正常。心電図も異常ありませんでした。運動機能は、40代にひけをとらない能力があり、敏捷性(びんしょうせい)、バランス、歩行速度に優れていました。

 動脈硬化検査では、血管の硬さを測る大動脈脈波速度で血管年齢は47歳でした。腹部のコンピュータ断層撮影検査(CT検査)では、内臓脂肪は少なく、皮下脂肪が多い結果でした。ちなみに内臓脂肪は動脈硬化(リンク1参照)に悪いといわれています。皮下脂肪が多いのは、冬山での体温維持、消耗対策とも思えました。

 このように70歳とは思えぬ健康体を拝見したのですが、実は三浦さんは、数年前は半病人だったのです。50代には食習慣と運動不足がたたって、肥満、高血圧、糖尿病、痛風になりました。(リンク2・3参照)

 このままではいけないと65歳で一念発起し、足に重りをつけ、近所の山登りからはじめました。最初は80歳の高齢者にも小山登りでおいていかれましたが、1年後には富士山を走って下りられるまでになり、高所訓化(高い場所で教えさとすこと)のトレーニングを重ね、70歳でエベレストの登頂に成功し、2013年5月には、80歳にして3度目の登頂を果たしておられます。

リンク1 「閉塞性動脈硬化症」

リンク2 「生活習慣の改善」

リンク3 「運動不足病」

生きがいとは

 このように、どんなスポーツマンでも一度目標を失うと、老化から逃れることはできず、過去の運動の貯金も数年の油断でなくしてしまいます。また、65歳という高齢者に位置づけられる年齢から開始しても、世界で始めてといえる快挙を成し遂げるまで、体力、気力が回復するというお手本を示してくれました。

 男性の生き甲斐とは、かくも人生の目標をいつの年齢になっても持ちつづけることに尽きるといえます。

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