健康長寿ネット

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日本人はなぜ長生きか

日本人の寿命

 日本人の平均寿命は、2014年厚生労働省調べによると、男性が80.50歳、女性が86.83歳です。また、世界の水準では、日本人男性の平均寿命は、世界3位、女性は2012年調査で世界一に返り咲きました。

 日本人の平均寿命がなぜ長いのか、これに対する答えを出すには、様々な国に住む集団を対象にして、数多くの長寿要因に関する詳細な国際的比較研究を行うことが必要です。しかし、そのような研究の実施は難しく、問いに対する明確な答えは今のところ出されていません。ここではいくつかの可能性のある長寿要因について述べます。(リンク1参照)

リンク1 「世界一の高齢社会」

長寿の要因・医療制度の充実や高い社会参加意欲

 まず、日本における医療制度の充実と社会的な長寿要因の存在があります。日本人の乳幼児の死亡率は諸外国に較べて低く、これも世界一の水準です。小児医療が充実しており、乳幼児の健康が、そして生命が手厚く守られています。

 国民皆保険制度の存在や高齢者に対する医療制度が比較的整備されていることも重要でしょう。老人基本健康審査などの健康診断も広く実施されて、健康増進や病気の早期発見、早期治療につながっています。

 日本人は高齢になっても勤労意欲が高く、また実際に社会参加率も高くなっています。高齢者の社会参加が寿命の延長につながっているということを示す研究結果も出されています。

 日本の社会が比較的平等で、貧富の差が少ないことも長寿要因となっているかもしれません。米国のような自由競争社会では劣悪な健康状態を強いられている貧困層が存在し、国民全体の平均寿命を短くしています。

 また日本では諸外国に較べ学校教育が充実しています。教育によって国民全体の健康に関する知識や関心が高まっている可能性もあります。

望ましいと思う退職年齢。

 多くの高齢者は表に示すように年齢にこだわらず働きたいとの希望を持っている。(内閣府「平成19年度中高年者の高齢期への備えに関する調査」による)

表:望ましいと思う退職年齢
望ましい退職年齢 (55~59歳) (60~64歳)
60歳くらいまで 13.3% 8.3%
65歳くらいまで 46.8% 41.7%
70歳くらいまで 14.5% 22.4%
75歳くらいまで 0.6% 1.9%
年齢にこだわらず、元気ならいつまでも働く方がよい 22.3% 22.9%
その他・分からない 2.6% 2.8%

食事や入浴などのライフスタイルも要因のひとつ

 日本人の食事や運動、入浴などのライフスタイルが長寿に適していることも考えられます。日本には独特の食習慣があります。グラフに示すとおり先進諸国中で脂肪摂取量が飛び抜けて少なく、米飯を中心としてた炭水化物の摂取が多くなっています。また魚の摂取が多いことも特徴的です。豆腐や納豆、味噌などの大豆製品の摂取が多く、これらは動脈硬化の進行を防ぐには理想に近い食習慣でしょう。またカテキンやビタミンCなどの抗酸化物質が多く含まれる緑茶の摂取は、動脈硬化や癌を防いでいる可能性があります(リンク2参照)。

 高齢になっても社会参加を続けていることで運動量を保つことが出来ています。清潔好きも重要な要因でしょう。毎日入浴し、身の回りを常に清潔に保つ、このことが感染症の予防につながっていると推測されます。

グラフ:フランス、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、日本の先進国における脂肪摂取量の比較。日本の脂肪摂取量は他の先進国に比べて少ないことを示している(国際食糧農業機関(FAO)による2001年の国別のひとり1日あたりの食料供給量を用いた)。

グラフ:先進国における脂肪摂取量の比較

リンク2 「長寿と栄養」

遺伝素因も

 日本人の遺伝素因についても考える必要があります。日本人と共通の祖先を持つ黄色人種(モンゴロイド)の人たちは氷河期にベーリング海峡を渡り新大陸に移り住むことができました。白人の祖先は暑さと皮膚癌を引き起こす紫外線に耐えられず、黒人の祖先は寒さに耐えられませんでした。

 黄色人種(モンゴロイド)だけが極寒の北極圏に住むイヌイットからアマゾンの熱帯雨林地帯に住むインディオまで、あらゆる環境に適応し生き残ってきました。この適応力の高さが現在の日本人の長寿命につながっているのかも知れません。

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