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コレステロールの働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 19時00分
更新日:2019年8月 9日 09時48分

コレステロールとは

 コレステロールは、高等動物の細胞成分として広く存在する代表的なステロイド化合物の一種で、水に溶けず有機溶媒に溶けることから、脂質に分類されます。

コレステロールの種類

 コレステロールは、水に溶けないため、血液中を流れるときはたんぱく質と結合したリポタンパク質の状態で存在します。結合しているリポタンパク質の種類により、高密度リポタンパク(high density lipoprotein、HDL)コレステロールと低密度リポタンパク(low density lipoprotein、LDL)コレステロールに大別されます。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、血管の壁に溜まっているコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあります。一方LDLコレステロールは、肝臓に蓄積されたコレステロールを体のあちこちに運んでいるため悪玉コレステロールと言われています。

コレステロールの吸収と働き1)

 コレステロールは、細胞膜の主要な構成成分であり、脳や肝臓、神経組織などに多く含まれています。また、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDの原料となり、生命維持に欠かせない重要な物質です。

 体内で必要なコレステロールの大部分は、糖質や脂肪酸から生じたアセチルCoAという物質から、主に肝臓と小腸で、1日に体重1㎏あたり12~13㎎(体重50㎏の人で600~650㎎/日)生産されています。食品からのコレステロールは、吸収量の個人差が大きいのですが、体内で合成されるコレステロールの1/3~1/7を占めるに過ぎません。さらに、わたしたちの体は、食事からのコレステロールの摂取量が多い場合には、体内での合成量は少なくなるように調節され、反対に食事からのコレステロールの摂取量が少ない場合には、体内での合成量が多くなるように調節されています。そのため、コレステロールの供給は常に一定に保たれるように調節されており、食事によるコレステロールの摂取量が血中コレステロール値に影響するという根拠は十分でないことが分かっています2)

コレステロールの1日の摂取基準量1)3)

 先ほど説明しましたように、食事によるコレステロールの摂取は血中のコレステロール値に直接的に影響を与えないことから、現在の食事摂取基準では、コレステロールの摂取量の基準値は定められていません。

 グラフ1に示す通り、平成27年度国民健康・栄養調査の結果、成人のコレステロールの摂取量は、平均すると、男性が300~350㎎前後、女性が250~300㎎程度となっています(グラフ1)。

グラフ1:1日のコレステロール摂取量を示すグラフ。男性よりも女性の方がコレステロール摂取量が多いことを示す
グラフ1:一日のコレステロール摂取量(㎎)3)

 主な摂取源としては、卵が最も多くコレステロールの摂取量の約半分近くを占めています。そのほか、魚介類、肉からの摂取も多くなっています(グラフ2)。

グラフ2:コレステロールを多く含む食品を示すグラフ。卵類が最も多い
グラフ2:コレステロールの食品群別摂取構成比(%)3)

 食事からのコレステロールは、血中コレステロール値に直接の影響を与えないとは言うものの、血中コレステロール値が高い人は、コレステロールの過剰な摂取は好ましくありません。しかし、グラフ2からもわかるように、コレステロールは卵、肉、魚などの動物性たんぱく質を多く含む食品に含まれているため、特に高齢者では、コレステロールの摂取量を制限しようとするとたんぱく質不足を生じ、低栄養を生じる可能性があるため、注意が必要です。

コレステロールが不足するとどうなる1)

 コレステロールが欠乏すると、細胞膜や血管が弱くなったり、免疫力が低下したり、脳出血などを起こしやすくなったりします。しかし、現在の、食生活では、コレステロールが欠乏することはあまりありません。

 一方、血中のLDLコレステロールが高くなり、HDLコレステロールが低くなった脂質異常症では、コレステロールが血管壁に蓄積され動脈硬化を誘発し、さらに虚血性心疾患、脳梗塞のリスクが高まります。

コレステロールを多く含む食品1)3)4)

鶏肝臓の串の写真。肉の内臓類はコレステロールを多く含む動物性食品。
コレステロールを多く含む動物性食品のイクラ1人前を表す写真。
コレステロールを多く含む「カステラ」の写真。動物性食品の卵を使う。食事によるコレステロールの摂取は血中コレステロール値に影響を与えないため1日の摂取量の基準値は定められていません。

 コレステロールは動物性食品に多く含まれます。特に卵、魚の内臓類、魚卵などに多く含まれます。他には、肉の内臓類、卵を使った菓子類などに多く含まれます(表)。鶏・肝臓80g(1串)で296㎎、鶏・全卵60g(中1個)で252㎎、イクラ30g(1人前)で144㎎、カステラ50g(1切れ)で80㎎含まれています(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)。

表:コレステロールが豊富な食品4)
順位食品名成分量100gあたり㎎
1 卵類/鶏卵/卵黄/乾燥卵黄 2300
2 卵類/鶏卵/全卵/乾燥全卵 1500
3 卵類/鶏卵/卵黄/生 1400
3 卵類/鶏卵/卵黄/ゆで 1400
5 魚介類/にしん/かずのこ/乾 1000
6 魚介類/(いか類)/加工品/するめ 980
7 魚介類/(いか類)/ほたるいか/くん製 930
8 魚介類/ぼら/からすみ 860
9 卵類/鶏卵/卵黄/加糖卵黄 820
10 魚介類/(いわし類)/かたくちいわし/田作り 720

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 脂質 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. コレステロール摂取量に関する声明(2015年5月1日) 日本動脈硬化学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 食品成分データベース 日本食品標準成分表2015年版 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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