健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

コレステロールの働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 21時57分
更新日:2021年2月12日 11時50分

コレステロールとは

 コレステロールは、高等動物の細胞成分として広く存在する代表的なステロイド化合物の一種で、水に溶けず有機溶媒に溶けることから、脂質に分類されます。

コレステロールの種類

 コレステロールは、水に溶けないため、血液中を流れるときはたんぱく質と結合したリポタンパク質の状態で存在します。結合しているリポタンパク質の種類により、高密度リポタンパク(high density lipoprotein、HDL)コレステロールと低密度リポタンパク(low density lipoprotein、LDL)コレステロールに大別されます。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、血管の壁に溜まっているコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあります。一方LDLコレステロールは、肝臓に蓄積されたコレステロールを体のあちこちに運んでいるため悪玉コレステロールと言われています。

コレステロールの吸収と働き1)

 コレステロールは、細胞膜の主要な構成成分であり、脳や肝臓、神経組織などに多く含まれています。また、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDの原料となり、生命維持に欠かせない重要な物質です。

 体内で必要なコレステロールの大部分は、糖質や脂肪酸から生じたアセチルCoAという物質から、主に肝臓と小腸で、1日に体重1㎏あたり12~13㎎(体重50㎏の人で600~650㎎/日)生産されています。食品からのコレステロールは、吸収量の個人差が大きいのですが、体内で合成されるコレステロールの1/3~1/7を占めるに過ぎません。さらに、わたしたちの体は、食事からのコレステロールの摂取量が多い場合には、体内での合成量は少なくなるように調節され、反対に食事からのコレステロールの摂取量が少ない場合には、体内での合成量が多くなるように調節されています。そのため、コレステロールの供給は常に一定に保たれるように調節されており、食事によるコレステロールの摂取量が血中コレステロール値に影響するという根拠は十分でないことが分かっています2)

コレステロールの1日の摂取基準量1)3)

 先ほど説明しましたように、食事によるコレステロールの摂取は血中のコレステロール値に直接的に影響を与えないことから、現在の食事摂取基準では、コレステロールの摂取量の基準値は定められていません。

 グラフ1に示す通り、平成27年度国民健康・栄養調査の結果、成人のコレステロールの摂取量は、平均すると、男性が300~350㎎前後、女性が250~300㎎程度となっています(グラフ1)。

グラフ1:1日のコレステロール摂取量を示すグラフ。男性よりも女性の方がコレステロール摂取量が多いことを示す
グラフ1:一日のコレステロール摂取量(㎎)3)

 主な摂取源としては、卵が最も多くコレステロールの摂取量の約半分近くを占めています。そのほか、魚介類、肉からの摂取も多くなっています(グラフ2)。

グラフ2:コレステロールを多く含む食品を示すグラフ。卵類が最も多い
グラフ2:コレステロールの食品群別摂取構成比(%)3)

 食事からのコレステロールは、血中コレステロール値に直接の影響を与えないとは言うものの、血中コレステロール値が高い人は、コレステロールの過剰な摂取は好ましくありません。しかし、グラフ2からもわかるように、コレステロールは卵、肉、魚などの動物性たんぱく質を多く含む食品に含まれているため、特に高齢者では、コレステロールの摂取量を制限しようとするとたんぱく質不足を生じ、低栄養を生じる可能性があるため、注意が必要です。

コレステロールが不足するとどうなる1)

 コレステロールが欠乏すると、細胞膜や血管が弱くなったり、免疫力が低下したり、脳出血などを起こしやすくなったりします。しかし、現在の、食生活では、コレステロールが欠乏することはあまりありません。

 一方、血中のLDLコレステロールが高くなり、HDLコレステロールが低くなった脂質異常症では、コレステロールが血管壁に蓄積され動脈硬化を誘発し、さらに虚血性心疾患、脳梗塞のリスクが高まります。

コレステロールを多く含む食品1)3)4)

 コレステロールは、卵類、魚介類、肉類、菓子類に多く含まれます。食事によるコレステロールの摂取量は、血中コレステロール値に影響はないと言われておりますが、コレステロールの量が調節されずバランスが崩れるなどの異常が起こると、血液中のLDLコレステロール値が高くなりますので、摂取量に注意が必要です。

 LDLコレステロールが多く含まれる動物性脂質は、一般的にとり過ぎる傾向があるので、なるべく控えて、HDLコレステロールを増やす効果のある青魚(DHA/EPA)や、コレステロールを減らす効果のある植物性脂質をバランス良く摂取することが大切です。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、日常的によく摂取する食品に含まれるコレステロール量について表2から表5にまとめました。

表2:卵類に含まれるコレステロール量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
コレステロール(㎎)単位重量
鶏卵 卵黄 生 1,400 1個 16g
うずら卵 全卵 生 470 1個 10~12g
鶏卵 全卵 生 420 1個(Mサイズ殻付) 60g
表3:魚介類に含まれるコレステロール量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
コレステロール(㎎)単位重量
かたくちいわし 田作り 720 1尾 11g
さくらえび 素干し 700 大さじ1 5g
あんこう きも 生 560 1人分 60g
しろさけ イクラ 480 大さじ1 18g
うなぎ きも 生 430 1個 10~15g
しらす干し 半乾燥品 390 大さじ1 5g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(頭部、内臓、骨、ひれなど)を除いたものです。
コレステロールを多く含む動物性食品のイクラ1人前を表す写真。
表4:肉類に含まれるコレステロール量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
コレステロール(㎎)単位重量
ぶた スモークレバー 480 1食分 100g
にわとり 肝臓 生 370 1人前 100g
ぶた 肝臓 生 250 1人前 100g
うし 肝臓 生 240 1人前 100g
にわとり 心臓 生 160 1個 15~20g
にわとり 手羽先 皮つき 生 120 1本(骨付き) 60g
鶏肝臓の串の写真。肉の内臓類はコレステロールを多く含む動物性食品。
表5:菓子類に含まれるコレステロール量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
コレステロール(㎎)単位重量
シュークリーム 230 1個 75~100g
スポンジケーキ 170 1切れ 50g
ベイクドチーズケーキ 170 1個 約80g
カステラ 160 1切れ 50g
カスタードプリン 140 1個 75~100g
コレステロールを多く含む「カステラ」の写真。動物性食品の卵を使う。食事によるコレステロールの摂取は血中コレステロール値に影響を与えないため1日の摂取量の基準値は定められていません。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015年版)総論 脂質 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. コレステロール摂取量に関する声明(2015年5月1日)日本動脈硬化学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 日本食品標準成分表・資源に関する取組 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 香川明夫(監修):七訂 食品成分表2019. 女子栄養大学出版, 東京, 2019.

シンポジウム「長生きを喜べる長寿社会の実現~生きがいのある高齢者を増やす~」開催のご案内

図:長生きを喜べる長寿社会の実現シンポジウムの案内バナー.6月28日13時からオンラインにて開催します。

 「令和4年度 長寿科学研究者支援事業 長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」の助成事業の主課題(本シンポジウムと同テーマ)を実現するために、どのような取り組みが求められるのか?医療、経済、社会、テクノロジー、政策など様々な分野の専門家から講演の後、ディスカッションを行います。

 シンポジウム(ライブ配信)に参加をご希望の方は以下のページからお申込みください。後日ライブ配信にご参加いただくためのURLをメールにてお送りいたします。

長生きを喜べる長寿社会実現~生きがいのある高齢者を増やす~ シンポジウム開催のご案内(新しいウインドウが開きます)

新型コロナウイルス感染症対策について

 新型コロナウイルス感染症の感染が再び拡大する可能性がある状況で、毎日ご不安に感じられている方も少なくないと思われます。特に高齢者の方におかれましては感染予防を心掛けながら健康を維持していくことが大事です。

 そこで高齢者およびご家族に向けて健康を維持するための情報をまとめました。ぜひご覧いただき毎日の健康の一助となれば幸いです。

新型コロナウイルス感染症対策

無料メールマガジン配信について

 健康長寿ネットの更新情報や、長寿科学研究成果ニュース、財団からのメッセージなど日々に役立つ健康情報をメールでお届けいたします。

 メールマガジンの配信をご希望の方は登録ページをご覧ください。

無料メールマガジン配信登録

このページについてご意見をお聞かせください