健康長寿ネット

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ミネラル:亜鉛、銅

1、亜鉛

亜鉛の働き

 亜鉛は成人の体内に約2g含まれます。成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在し、さまざまな酵素の構成成分となっています。たんぱく質やDNAの合成に必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に欠かせないミネラルといえます。また、インスリンの合成や免疫反応にも関与しています。

亜鉛が不足すると

 亜鉛が不足すると、成長障害、貧血(リンク1参照)、食欲不振、皮膚炎、味覚異常(リンク2参照)、性腺発育障害、脱毛、免疫力低下などのさまざまな症状が現れます。

 植物性食品に多く含まれる食物繊維やフィチン酸(穀類、豆類に多い)などは、亜鉛の吸収を妨げるので、特定の食品に偏った食事をしないよう注意が必要です。

リンク1 「貧血」

亜鉛の多い食品

 亜鉛は、魚介類、肉類、海藻、野菜、豆類、種実類に多く含まれます。特にカキ(牡蠣)には100gあたり13.2mgと多く含まれます。うなぎの蒲焼100g(1串)には2.7mg、豚・肝臓生100gあたり6.9mgと魚介類や肉類のほうが多く含まれています。

食事摂取基準

 平成19年国民健康・栄養調査における食品群別摂取量は8.2mgで、グラフ1のとおり穀類からの摂取量が最も多く、次いで肉類、魚介類でした。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では一日の摂取の推奨量は18~69歳男性で12mg、70歳以上男性で11mg、18歳以上女性では9mgとなっています。上限量は18~29歳男性40mg、30~69歳男性45mg、70歳以上の男性で40mg、18~69歳女性で35mg、70歳以上の女性で30mgと設定されています。

グラフ:銅の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)日本人は銅を穀類から最も多く摂取していることを示している。

グラフ1:亜鉛の食品群別摂取構成比

2、銅

銅の働き

 銅は成人の体内に約70-100mg含まれます。骨、骨格筋、血液、脳や肝臓に存在して、骨髄での赤血球のヘモグロビンの合成を助けたり、腸管からの鉄の吸収を助けたりしています。また、酸化に関連する酵素にも含まれています。

銅が不足すると

 欠乏症は、遺伝性のメンケス症候群(注1)があります。日常の食生活での欠乏はないとされていますが、長期に経腸栄養での栄養管理がされている患者や、人工栄養の未熟児などでは、摂取量不足による欠乏症がみられることがあります。

 主な症状は、貧血、骨異常、毛髪異常、成長障害などです。過剰症は化学薬品の誤飲などによる特殊な急性中毒や、遺伝性のウイルソン病(注2)など以外にはほとんど起こりません。

銅の多い食品

 銅はいか(するめ)、カキ(牡蠣)などの魚介類のほか、豆類やレバーなどに多く、いか(するめ)50g(2分の1枚)に5.0mg、カキ(牡蠣)には100gあたり0.9mg、牛・肝臓100gあたり5.3mg、納豆50g(1パック)で0.3mg含まれます。

食事摂取基準

 平成19年国民健康・栄養調査における食品群別摂取量は1.16mgで、グラフ2のとおり穀類からの摂取量が最も多く、次いで野菜・きのこ・藻類、豆類、魚介類でした。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では一日の摂取の推奨量は、18~69歳の男性0.9mg、70歳以上男性で0.8mg、18歳以上女性で0.7mgです。上限量は18歳以上の男女とも10mgです。

グラフ:亜鉛の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)日本人は亜鉛を穀類から最も多く摂取していることを示している。

グラフ2:銅の食品郡別摂取構成比

(注1)メンケス症候群:銅の吸収不全により縮れた毛の頭髪や進行性の精神障害が現れます。

(注2)ウイルソン病:銅が胆汁中に分泌されず肝臓などに蓄積され、脳神経障害、重度の肝障害などを起こします。

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