健康長寿ネット

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ミネラル:リン

リンの働き

 リンは成人の体内に約600g含まれ、その約80%は硬い組織に存在し、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムとして、骨や歯の構成成分となっています。約15%が筋肉に存在し、そのほか脳、神経、肝臓などの組織にも含まれています。

 リンは骨や歯の正常な発達に不可欠です。また、リン脂質として、細胞膜の構成成分になるほか、リンたんぱく質、DNAやRNAなどの核酸、高エネルギーリン酸化合物(アデノシン三リン酸:ATP)の構成成分となり、生体のさまざまな代謝反応に関与しています。体液の酸とアルカリのバランスや浸透圧を調節したり、心臓、腎臓を正常に機能させたり、神経伝達にも関与しています。

 リンはリン酸として十二指腸や回腸、大腸などで吸収され、そのほとんどが尿中に排泄されます。生体内のリン酸は、腎臓からの再吸収や、骨への沈着と骨から血液中への溶出などによって調節されています。

 腸管での吸収はビタミンD(リンク1参照)によって促進され、カルシウム(リンク2参照)、マグネシウム(リンク3参照)によって抑制されます。

リンク1 「脂溶性ビタミン:ビタミンD」

リンク2 「ミネラル:カルシウム」

リンク3 「ミネラル:マグネシウム」

リンは過剰摂取に注意

 リンは食品中に広く分布し、さらにリン含量の高い食品が多いため不足することはほとんどありません。むしろ現在の日本の食生活では、加工食品の利用が増えていることに伴い、食品添加物として使われている各種リン酸塩の摂取が多くなっているので、過剰摂取のほうが問題となっています。

 リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムの摂り過ぎはリンの吸収を妨げます。そのためカルシウムとリンの摂取比率は、ほぼ同量が望ましいとされています。加工食品の摂取が多い場合には注意が必要です。

リンの多い食品

 リンは牛乳・乳製品、卵黄、小魚類、豆類、肉類、ぬかや胚芽などに多く含まれています。大豆(乾燥)50gで290mg、ワカサギ生80g(3~4尾)で280mg、プロセスチーズ30gで219mg含まれます。

食事摂取基準

 平成19年国民健康・栄養調査におけるリンの摂取量は1000.2mgでした。グラフのとおり食品群別でみると、穀類と魚介類からの摂取が約18%と多く、次いで乳類、肉類の順でした。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では、一日のリンの目安量を18歳以上の男性で1000mg、女性900mgとしています。70歳以上男性は1000mg、女性は900mgとしています。上限量は18歳以上男女ともに3000mgと設定されています。

グラフ:リンの食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)日本人はリンを穀類、魚介類から多く摂取していることを示している。

グラフ:リンの食品群別摂取構成比

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