健康長寿ネット

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水溶性ビタミン:葉酸、ビオチン

1、葉酸

葉酸の働き

 葉酸は植物の葉に多く含まれ、黄色結晶で光や熱に不安定な物質です。ビタミンB12とともに造血に働くので「造血のビタミン」といわれます。

 葉酸はDNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成に関与しています。葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。

 通常の食事では不足することはありませんが、成長のために葉酸が大量に消費されるので、子供では葉酸不足による巨赤芽球性貧血(悪性貧血)が起こりやすくなると考えられます。

葉酸の多い食品と食事摂取基準

 葉酸は緑黄色野菜、肉類、卵黄、牛乳、豆類などの食品に多く含まれています。牛肝臓50gには500μg(マイクログラム)、ほうれん草生100g(2分の1束)には210μg、アスパラガス60g(3本)には114μgが含まれています。

 平成19年国民健康・栄養調査における葉酸の摂取量は298.5μgで、このうちグラフが示すとおり約40%が野菜・きのこ・藻類からの摂取でした。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では一日の摂取の推奨量を18~29歳の男女とも1300μg、30~69歳の男女とも1400mg、70歳以上の男女とも1300mgとしています。神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、妊娠を計画している、あるいは妊娠している女性は、一日240μgの追加摂取が推奨されています。

グラフ:葉酸の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)。日本人は野菜・きのこ・穀類から最も多く摂取していることを示している。

グラフ:葉酸の食品群別摂取構成比

2、ビオチン

ビオチンの働き

 ビオチンはビタミンHともよばれ、水やアルコールに溶けやすく、微小針状結晶で熱、光、酸、アルカリに安定な性質を持ち、イオウを含む物質です。

 ビオチンは、生体内でたんぱく質と結合していて糖質代謝、脂質代謝、たんぱく質代謝などに関与し、エネルギーをつくりだす手助けをしています。皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深く関わっているビタミンで、不足するとアトピー性皮膚炎や脱毛などの皮膚症状や食欲不振、うつなどの症状が現れます。

ビオチンの多い食品と食事摂取基準

 ビオチンはいろいろな食品に含まれているうえに、腸内細菌によっても合成されるので、通常の食生活では欠乏することはないと考えられます。多量の生卵を摂取した場合には、卵白中のアビジンという物質がビオチンと結合して吸収を妨げ、欠乏することがあります。しかし、生卵の大量摂取をしない限り心配はいらないでしょう。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では、一日の摂取の目安量を18歳以上の男女とも50μgとしています。上限量は設定されていません。

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