健康長寿ネット

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ミネラル:鉄

鉄の働き

 鉄はからだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。

 鉄は酸素とくっつきやすいのです。筋肉にもヘモグロビンと似たミオグロビンという物質があります。他に、肝臓や脾臓、骨髄などにフェリチンやヘモシデリンとして20~30%貯蔵されています。赤血球の鉄が足りなくなるとこの貯蔵鉄が使われます。

鉄の多い食品と吸収率

 鉄は吸収率の低いミネラルです。食品中の鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率は高くなります。肉や赤身の魚、レバーに多く含まれています。一方、非ヘム鉄は魚介類、卵、大豆製品、緑黄色野菜に含まれています。非ヘム鉄には二価鉄(Fe2+)と三価鉄(Fe3+)があり、三価鉄は二価鉄に還元されてから吸収されます。還元してくれる物質にビタミンC(リンク1参照)があります。そのため、鉄はビタミンCといっしょに摂取すると吸収率が高くなるのです。

 また、鉄の吸収率は体内の鉄貯蔵量が少ない場合は高くなり、多い場合は低くなります。このように、食事に含まれているヘム鉄と非ヘム鉄の割合や、吸収を高める他の栄養素の含有量、体内の鉄の貯蔵状態によって違ってきますが、鉄の吸収率はだいたい15%程度になると見積もっています。

リンク1 「水溶性ビタミン:ビタミンC」

鉄が不足すると

 鉄が不足すると鉄欠乏性貧血(リンク2参照)になります。貧血になるとからだが重い、息がきれる、顔色が悪い、疲れやすいと感じるようになります。貧血予防のために鉄さえ補えばいいというわけではありません。ヘモグロビンは鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結合してできています。そのためタンパク質も摂取する必要があります。

 食事において貧血予防・改善として大切なことは、鉄が豊富に含まれている赤身の肉(ももやヒレ)や魚、貝類を新鮮な野菜といっしょに食べるということです(新鮮な野菜にはビタミンCが多く含まれています)。

リンク2 「貧血」

食事摂取基準

 鉄は日本人が不足しやすい栄養素の一つです。1日に必要な鉄の推奨量は表に示すとおり18~29歳の女性では月経なしの場合6.0mg、30~69歳の女性で6.5mg、70歳以上の女性で6.0mgです。18~29歳の男性では7.0mg、30~69歳の男性で7.5mg、70歳以上の男性で7.0mgです。しかし、過剰摂取も問題です。長期にわたり過剰に摂取しつづけると鉄沈着症を発症する恐れがあります。また、非ヘム鉄サプリメント摂取で便秘、胃部不快感など副作用を訴える人がいることも報告されています。

 食事摂取基準の上限量(過剰摂取による健康障害をおこすことのない最大限の量)は、女性では30~49歳で40mg、50~69歳で45mg、70歳以上で40mg、一方男性では30~49歳で55mg、50歳以上で45mgです。

 平成19年国民健康・栄養調査における鉄の一般食品からの摂取量は7.8mgでした。グラフが示すとおり、摂取量のうちこのうち約18%が野菜・きのこ・藻類から、約13%が穀類、調味料・香辛料類から、豆類、魚介類からも約10~12%摂取されていました。

表:鉄の食事摂取基準(推奨量と上限量)
推奨量 上限量
年齢(歳) 男性(mg) 女性(mg) 男性(mg) 女性(mg)
30~49 7.5 6.5* 55 40
50~69 7.5 6.5* 50 45
70以上 7.0 6.0 50 40

* 月経なし(月経がある場合は11.0mg)

グラフ:鉄の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)鉄の食品群別摂取校正費を示す棒グラフ。日本人の鉄の摂取は野菜、きのこ、藻類からの摂取が最も多いことを示している。

グラフ:鉄の食品群別摂取構成比

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