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ビタミンCの働きと1日の摂取量

ビタミンCとは

 ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つで、16世紀から18世紀にかけての大航海時代に、新鮮な野菜や果物の摂取量が極端に少なかった船員たちの間で流行した、壊血病を予防する成分として、オレンジ果汁から発見されました。

 多くの哺乳動物では、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、人の他、モルモットなどの一部の動物は、合成に必要な酵素がなくビタミンCを合成できないため、食事からビタミンCを摂取しなければなりません。ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸で、生体内では通常還元型の L-アスコルビン酸または酸化型の L-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。

ビタミンCの吸収と働き1)

 ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物です。ビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されないために、血管がもろくなり出血を起こします。これが壊血病です。壊血病のそのほかの症状としては、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。また、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあるほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。

 最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。

ビタミンCの1日の摂取基準量3)

 ヒトはビタミンCを体内で作れないため、成人では1日の推奨量が100mg(2015年版食事摂取基準)と設定されています。また、通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません(表)。

 しかし、ビタミンCの摂取量と排泄量を考えると、通常の食事以外に、サプリメントから一日当たり1g以上のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。

表:ビタミンCの食事摂取基準(mg/日)3)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0~5(月) 40 40
6~11(月) 40 40
1~2(歳) 30 35 30 35
3~5(歳) 35 40 35 40
6~7(歳) 45 55 45 55
8~9(歳) 50 60 50 60
10~11(歳) 60 74 60 74
12~14(歳) 80 95 80 95
15~17(歳) 85 100 85 100
18~29(歳) 85 100 85 100
30~49(歳) 85 100 85 100
50~69(歳) 85 100 85 100
70以上(歳) 85 100 85 100
妊婦(付加量) +10 +10
授乳婦(付加量) +40 +45

特記事項:推定平均必要量は、壊血病の回避ではなく、心臓血管系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果から算定

  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。

 日本人のビタミンCの1日の摂取量の平均は、平成27年国民健康・栄養調査によると97.9mgでした4)

 健康日本21では野菜の目標摂取量が成人で350gとされています。世界がん研究基金とアメリカがん研究財団が1997年にまとめたがん予防に関する15か条の勧告では「野菜と果物を、1年を通して1日400~800g、または1日5皿以上」食べることを推奨しています。大人の両手1杯が約100g程度の野菜に相当します。目安として、少なくとも両手1杯の緑黄色野菜と、両手2杯の淡色野菜を毎日摂取するように心がけてみましょう。

ビタミンCが不足するとどうなる1)2)

 ビタミンCが不足すると壊血病、皮下出血、骨形成不全、貧血になるおそれがあります。

 ビタミンCは水溶性ビタミンであり、余剰分は尿と一緒に排出されるため過剰症はないとされてきました。しかし、近年、ビタミンCの過剰摂取により、虚血状態により組織や細胞中の酸素濃度が低下した場合には、活性酸素を産生し、細胞死を引き起こす可能性が示唆されています2)。まだはっきりした結論は出ていませんが、サプリメントなどを利用する際は注意しましょう。

ビタミンCを多く含む食品2)

ビタミンCを多く含む食品のピーマン・みかんを表す写真。ビタミンCはアスコルビン酸といわれ、コラーゲンの生成に必須の化合物。ビタミンCの効能は皮膚のメラニン色素の生成を抑え、病気に対する抵抗力を強める。ビタミンCの1日に必要な摂取量は両手1杯の緑黄色野菜と両手2杯の淡色野菜。

 ビタミンCはみかん、いちご、ブロッコリー、ほうれん草、ピーマンなどの野菜や、いも類、緑茶に多く含まれており、バランスの良い食事を心がけていれば不足の心配はまずありません。

 ビタミンCは、風邪やインフルエンザなどの感染症の時、その必要量が増加します。また、喫煙によってもビタミンCの要求量が高まります。

 近年、野菜の摂取量が減少しており、不足しがちなビタミン類を野菜ジュースやサプリメントで補う人もいますが、野菜ジュースやサプリメントから摂取されるビタミンCは、通常の食事で野菜から摂取した場合よりも、排せつまでの時間が非常に短いことが知られています。

 ビタミンCは熱に弱く、加熱調理により分解されますが、ジャガイモやサツマイモなどはビタミンCがでんぷんにより保護されているため、調理後にもほとんど分解されずに残ります。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ビタミン(水溶性ビタミン) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. ビタミンCの真実 東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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