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三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 21時56分
更新日:2021年2月12日 11時39分

炭水化物とは

 ブドウ糖や果糖などの単糖から、構成されているものを総称して炭水化物と言います。炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができます1)

炭水化物の種類1)

 炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを単糖類、2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類、それ以上のものを多糖類と言います。

 単糖類には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどがあり、二糖類にはショ糖、乳糖、麦芽糖などがあります。これらは、すべて体の中でエネルギーになる「糖質」です。ショ糖は、調味料として普段使っている砂糖のことで、ブドウ糖と果糖が結合したものです。また、乳糖はブドウ糖とガラクトースが結合したもので、牛乳に多く含まれています。よく牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがあります(乳糖不耐症)。これは乳糖を分解する酵素が足りなくて、消化不良を起こしているのです。

 少糖類はオリゴ糖とも言い、腸内の善玉菌を増やす効果があるとして、特定保健用食品にも利用されています。

 多糖類には、代表的なエネルギー源となるでんぷんや、グリコーゲンがあります。どちらもブドウ糖が多数結合したものです。また、果物に多く含まれるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されます。

炭水化物の吸収と働き

 炭水化物のうち、ショ糖やでんぷんなどの糖質は、体の中で1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。

 炭水化物は体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、血液中のブドウ糖の濃度が血糖値となります。食事をして血糖値が高くなるとインスリンによって血糖値は低くなり、反対に、空腹になり血糖値が低くなってくるとグルカゴンといったいくつかのホルモンによって血糖値は高くなります。このように、血糖値は厳密に一定の濃度(80~140㎎/㎗)に保たれているのですが、インスリンの分泌量が少なかったり、感受性が悪くてうまく働かなかったりしてこの調整がうまくできず、血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。

炭水化物の1日の摂取基準量

 炭水化物の1日の摂取基準量は男女とも1日に食事から摂取するエネルギー(kcal)の50~65%に相当する量になります(表1)。

 例えば、1日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50~65%に相当するエネルギー量は、2,000kcal×0.5~0.65=1,000kcal~1,300kcal。炭水化物は1gが約4kcalですから、1,000kcal~1,300kcal÷4kcal=250g~325g。つまり1日に250gから325gの炭水化物を摂取することが望ましいということになります。

 そのため、炭水化物の1日の摂取基準量を満たすため、まずは1日のエネルギー必要量(摂取カロリー)を把握しておくとよいでしょう(リンク1)。

リンク1 高齢者の食事摂取基準

表1:炭水化物の食事摂取基準(%エネルギー)2)
性別男性女性
年齢等目標量a,b(中央値c目標量a,b(中央値c
0~5(月)
6~12(月)
1~2(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
3~5(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
6~7(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
8~9(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
10~11(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
12~14(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
15~17(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
18~29(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
30~49(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
50~69(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
70以上(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
妊婦
授乳婦
  1. 範囲については、おおむねの値を示したものである。
  2. アルコールを含む。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。
  3. 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではない。
  • 目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。

炭水化物が不足するとどうなる

 人がエネルギーとして使える栄養素は、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類がありますが、すぐにエネルギーに変えられるのがブドウ糖です。しかし、体の中では、糖質は少量のグリコーゲンとして肝臓や筋肉の中に蓄えているだけで、余分なエネルギーのほとんどは脂肪として体の中に蓄えられています。

 エネルギーとして血液中のブドウ糖を消費してしまうと、肝臓や筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解するのですが、その量はそれほど多くないため、グリコーゲンも尽きてしまうと、エネルギーが不足し、疲れやすくなります。

 特に、脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしています。脳は、昼夜、活動時休息時問わず、ほぼ一定の速度でブドウ糖を燃焼しており、脳だけで1日に120gものブドウ糖を消費するともいわれています。そのため糖質が不足すると、脳や神経への栄養が行き届かなくなくなるため、判断力が鈍り、注意力が散漫になってきます。

炭水化物を多く含む食品

三大栄養素のひとつの炭水化物を多く含むパン、パスタ、白米、そばの写真。炭水化物とはブドウ糖や果糖などの単糖から構成されているものをいいます。1日に必要な摂取量は、男女とも1日に摂取する総エネルギーの50%から65%になります。

 炭水化物は、ご飯、パン、麺類などの穀類、いも及びでん粉類などに多く含まれています。また、砂糖及び甘味類や果実類などの甘いものにも多く含まれていますが、甘いものは血糖値を急激に上げてしまうため、穀類やいも及びでん粉類を多く摂ったほうが良いでしょう。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品から炭水化物を多く含む食品を表2から表5にまとめました。

表2:穀類に含まれる炭水化物量3)4)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
炭水化物(g)単位重量
とうもろこし コーンフレーク 83.6 1食分 40g
ライ麦パン 52.7 1枚(6枚切り) 60g
ぶどうパン 51.1 1枚(6枚切り) 60g
ロールパン 48.6 1個 30g
食パン 46.6 1枚(6枚切り) 60g
おにぎり 39.4 1個 80g
水稲めし 精白米 うるち米 37.1 小盛り1杯 100g
マカロニ・スパゲッティ ゆで 32.2 乾1人前 80g
そば ゆで 26.0 1玉 170g
そうめん・ひやむぎ ゆで 25.8 乾1わ 100g
表3:いも及びでん粉類に含まれる炭水化物量3)4)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
炭水化物(g)単位重量
はるさめ 緑豆はるさめ 乾 87.5 1食分 15g
さつまいも 塊根 皮つき 生 33.1 中1本 200~250g
じゃがいも 塊茎 皮つき 生 15.9 中1個 150~200g
ながいも 塊根 生 13.9 1本 600~1000g
さといも 球茎 生 13.1 中1個 50~60g
表4:砂糖及び甘味類に含まれる炭水化物量3)4)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
炭水化物(g)単位重量
上白糖 99.3 大さじ1 9g
三温糖 99.0 大さじ1 9g
黒砂糖 90.3 大さじ1 15g
はちみつ 81.9 大さじ1 21g
メープルシロップ 66.3 大さじ1 21g
黒蜜 50.5 大さじ1 18g
表5:果実類に含まれる炭水化物量3)4)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
炭水化物(g)単位重量
ぶどう 干しぶどう 80.3 大さじ1 13g
かき 干しがき 71.3 1個 35g
いちご ジャム 高糖度 63.3 大さじ1 23g
バナナ 生 22.5 1本 200g
りんご 皮つき 生 16.2 1個 250g
かき 甘がき 生 15.9 中1個 150~200g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(皮や根、芯など)を除いたものです。
  • 調理法により食品の成分値、食品重量が変化します。食品重量については、例えばゆでる場合、食品の水分が流れ出て重量が減る食品とゆで湯を吸収して重量が増える食品がありますので、ゆで100gとは、生100gをゆでた場合の重量ではなくゆでた状態での100gです。
  • 加熱調理(ゆで、蒸し)をした食品は、ゆで汁(食塩水)は廃棄し、他調味料は含まれていません。成分量は加熱調理後の可食部100g当たりの成分量となります。

1日の炭水化物を何からどれくらい食べたらよいのか

 炭水化物を摂取基準どおりに食事から摂取にはどういった食品をどれくらいの量を食べたらよいのでしょうか。炭水化物はご飯、パン、麵類などの「主食」に多く含まれています。主食を1日にどういった食品から、どのくらいの量を食べたらよいかの目安に、厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」が参考になります。食事バランスガイドは摂取基準にもとづいて1日の食事の適量をわかりやすくしています。食事バランスガイドの活用法、主食の摂取量の目安について詳しくはリンク2、3をご覧ください。

リンク2 食事バランスガイドの活用法

リンク3 主食(ごはん・パン・麺)の摂取量の目安

参考文献

  1. 栄養素と食事バランスガイドとの関係:農林水産省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 日本食品標準成分表・資源に関する取組 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 香川明夫(監修):七訂 食品成分表2019. 女子栄養大学出版, 東京, 2019.

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