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水溶性ビタミン:ビタミンB1

ビタミンB1の働き

 ビタミンB1は最初に発見されたビタミンです。チアミンともいいます。ブドウ糖がエネルギーになる際に必要な栄養素です。

 ブドウ糖がピルビン酸になるまでを解糖系といい、酸素を使わずにエネルギーを少し産生します。ピルビン酸はさらにアセチルCoA(コエンザイムA)になり、TCAサイクル(クエン酸回路)に入って酸素を消費して代謝されます。最終的には二酸化炭素と水になり、たくさんのエネルギーを作ります。

 ビタミンB1はピルビン酸からアセチルCoAに変わる際に必要な水溶性ビタミンなのです。

ビタミンB1の多い食品

 ビタミンB1は、肉類や魚類、中でも豚肉や魚の血合いの赤黒い部分に多く含まれています。また、酵母、豆類などにも含まれています。穀類では胚芽に多いため、精白米になると含有量は少なくなります。

 ビタミンB1はニンニクやタマネギなどに含まれているアリシンと結合してアリチアミンになると、吸収率が高くなります。しかし、熱に弱いため、調理による損失が大きいといった欠点があります。

ビタミンB1が欠乏すると

 ビタミンB1が欠乏すると多発性神経炎、食欲不振、神経障害を起こします。重症な場合は脚気になります。米が主食である日本では、脚気は昔から発生していたようです。精白米を食べるようになった元禄時代以降多くなり、江戸患い(わずらい)と呼ばれていました。

 明治時代、脚気の原因について、食事内容が関係しているとした海軍の高木兼寛と、細菌説を唱えた陸軍の森林太郎(鴎外)らの対立は有名です。

 脚気になると、足の浮腫、しびれ、動悸・息切れなどの症状を呈するようになります。重篤な場合は死亡することもあります。脚気は決して昔の病気ではありません。現在でも食生活の乱れから脚気になる人がいます。妻が入院し、残された夫は料理が苦手。スーパーマーケットやコンビニエンスストアで弁当を時々購入するが、酒ばかり飲んでいる。このような食生活をしていると脚気になる危険性が高くなります。

目標摂取量

 1日の摂取量(推奨量)を表にしました。ビタミンB1はエネルギー産生に関与していますので、推奨量はエネルギー1,000kcalあたり0.54mgとして算出されています。女性では18~49歳で1.1mg、50~69歳で1.0mg、70歳以上で0.9mgです。一方男性では18~49歳で1.4mg、50~69歳で1.3mg、70歳以上で1.2mgです。

 ビタミンB1は、過剰に摂取しても余分なものは尿中に排泄されてしまいます。しかし、サプリメントなどによって1日50mg以上長期にわたって摂取していると、頭痛、いらだち、不眠、速脈、脆弱化(ぜいじゃくか:もろくてよわい)、接触皮膚炎、かゆみなどの症状を呈するという報告があります。

 平成19年国民健康・栄養調査におけるビタミンB1の摂取量は0.87mgでした。グラフに示すとおり肉類、穀類、野菜・きのこ・藻類、魚介類などから摂取されています。

表:ビタミンB1の食事摂取基準(推奨量)
年齢
(歳)
男性
(mg)
女性
(mg)
30~49 1.4 1.1
50~69 1.3 1.0
70以上 1.2 0.9

グラフ:ビタミンB1の食品群別摂取構成比を示す棒グラフ。日本人はビタミンB1を肉類、穀類から多く摂取していることを示している。

グラフ:ビタミンB1の食品群別摂取構成比

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