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ビタミンB2の働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 21時49分
更新日:2020年5月27日 11時48分

ビタミンB2とは

 水溶性ビタミンのビタミンB2は、リボフラビンという化合物です。ビタミンB2は、リボフラビンにリン酸が一つ結合したフラビンモノヌクレオチド(FMN)、またはFMNにAMPが結合したフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の形があります。これらは、どちらも消化管でビタミンB2にまで消化された後、体内に取り込まれるため、ビタミンB2の同等の生理活性を示します。

 リボフラビンは黄色い色素で、着色料として食品添加物に使われることもあります。牛乳からたんぱく質と脂肪を取り除いた上澄みは黄色みをおびていますが、これはこのビタミンの色からきています。

ビタミンB2の吸収と働き1)

 生細胞中のリボフラビンは、ほとんどがFADあるいはFMNとして酵素タンパク質と結合した状態で存在しています。食品の調理や消化の際に、結合している酵素タンパク質が変性してFADまたはFMNが遊離します。遊離したFADまたはFMNは大部分が小腸粘膜で加水分解されてリボフラビンとなり、小腸上皮細胞から吸収されます。食品により変換効率や吸収効率が異なりますが、平均的な食事中のビタミンB2の利用効率は約64%と推定されます。

 吸収されたリボフラビンは生体内で再びFMNやFADに変換されて、糖質、たんぱく質、脂質の代謝、エネルギー産生に関与する酸化還元酵素の補酵素として働きます。「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進に重要な役割を果たすほか、皮膚、髪、爪などの細胞の再生にも関与しています。

ビタミンB2の1日の摂取基準量1)2)3)

 一日のエネルギー摂取量が2,200kcalの健康な成人に対してリボフラビンを投与した実験の結果、一日当たり約1.1㎎以上の摂取で尿へのリボフラビンの排泄量が摂取量に応じて増大することが報告されていることから、ビタミンB2の、推定平均必要量をエネルギー1,000kcalに対し0.5㎎として算出されています。この推定平均必要量の値は、半数の人が必要を満たすと推定される量です。この推定平均必要量に推奨量算定係数の1.2を掛けた値が、推奨量となり、約97.5%の人が必要量を満たすと考えられる量になります。2015年版食事摂取基準では、一日の推奨量は、女性では18~49歳で1.2㎎、50歳以上で1.1㎎、男性では18~49歳で1.6㎎、50~69歳で1.5㎎、70歳以上で1.3㎎となっています(表1)。

 水溶性ビタミンであるビタミンB2は、余剰分が尿中に排泄され体内に蓄積しにくいことから、多量摂取による過剰障害は起こり難いと考えられています。実際に過剰投与を行った研究でも、健康被害は報告されなかったことから、耐容上限量は設定されていません(表1)。

表1:ビタミンB2の食事摂取基準(㎎/日)a,2)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0~5(月) 0.3 0.3
6~11(月) 0.4 0.4
1~2(歳) 0.5 0.6 0.5 0.5
3~5(歳) 0.7 0.8 0.6 0.8
6~7(歳) 0.8 0.9 0.7 0.9
8~9(歳) 0.9 1.1 0.9 1.0
10~11(歳) 1.1 1.4 1.1 1.3
12~14(歳) 1.3 1.6 1.2 1.4
15~17(歳) 1.4 1.7 1.2 1.4
18~29(歳) 1.3 1.6 1.0 1.2
30~49(歳) 1.3 1.6 1.0 1.2
50~69(歳) 1.2 1.5 1.0 1.1
70以上(歳) 1.1 1.3 0.9 1.1
妊婦(付加量) +0.2 +0.3
授乳婦(付加量) +0.5 +0.6
  1. 身体活動レベル2の推定エネルギー必要量を用いて算定した。

特記事項:推定平均必要量は、ビタミンB2の欠乏症である口唇炎、口角炎、舌炎などの皮膚炎を予防するに足る最小摂取量から求めた値ではなく、尿中にビタミンB2の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。

  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。

 平成27年国民健康・栄養調査における日本人のビタミンB2の一般食品からの1日の摂取量の平均は1.17㎎でした。また食品群別の摂取量の調査によると主に卵類、魚介類、肉類、乳類、穀類、嗜好飲料類などから摂取されています。

ビタミンB2が不足するとどうなる1)

 牛乳・乳製品、動物性食品、豆類の摂取量が少ない場合、ビタミンB2が不足することがあります。ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つことに関係していますので、不足すると口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、角膜炎などを起こします。

 また、成長期の子どもの場合は、ビタミンB2が不足すると成長障害を起こします。エネルギー消費量が多い人ほどビタミンB2を必要とするので、活動量の多い子どもの場合、不足しないように注意する必要があります。

ビタミンB2を多く含む食品

ビタミンB2を多く含む食品の落花生と牛乳の写真。ビタミンB2は豆類に多く含まれます。牛乳・乳製品、動物性食品などの摂取量が少ないとビタミンB2が不足することがあります。

 ビタミンB2は、魚介類、肉類、藻類、豆類、乳類、卵類、野菜類、種実類などに多く含まれています。ビタミンB2は熱には強いのですが、光によって分解しやすい性質があります。また、アルカリ性(例えば重曹)で加熱すると分解してしまいます。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からビタミンB2を多く含む食品を表2から表9にまとめました。

表2:魚介類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
魚肉ソーセージ 0.6 1本 75~90g
ずわいがに 生 0.6 足1本 40g
みりん干し まいわし 0.5 1枚 28g
(さば類) 缶詰 水煮 0.4 1缶 180g
しろさけ 新巻き 生 0.2 1切れ 100g
まあじ 皮なし 刺身 0.2 1尾 160g
すずき 生 0.2 1切れ 80g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(頭部、内臓、骨、ひれなど)を除いたものです。
表3:肉類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
ぶた 肝臓(レバー) 生 3.60 1人前 100g
うし 肝臓(レバー) 生 3.00 1人前 100g
にわとり 肝臓(レバー) 生 1.80 1人前 100g
ぶた レバーペースト 1.45 大さじ1 12g
にわとり 心臓(ハツ) 生 1.10 1個 15~20g
ぶた 心臓(ハツ) 生 0.95 1人前 100g
うし 心臓(ハツ) 生 0.90 1人前 100g
表4:藻類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
あまのり 焼きのり 2.33 1枚 2g
あまのり 味付けのり 2.31 1人分 3g
あおのり 素干し 1.66 小さじ1 2g
わかめ 乾燥わかめ 素干し 0.83 1人分 2g
あおさ 素干し 0.48 小さじ1 2g
ほしひじき ステンレス釜・鉄釜 乾 0.42 大さじ1 2g
表5:豆類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
糸引き納豆 0.56 1個 30~50g
挽きわり納豆 0.36 1個 30~50g
きな粉 全粒大豆 黄大豆 0.24 大さじ1 6g
全粒 蒸し大豆 黄大豆 0.10 1パック 100g
表6:乳類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
ナチュラルチーズ パルメザン 0.68 大さじ1 6g
ナチュラルチーズ カマンベール 0.48 1切れ 18g
プロセスチーズ 0.38 1切れ 18g
ナチュラルチーズ リコッタ 0.21 大さじ1 13g
ナチュラルチーズ モッツァレラ 0.19 1切れ 18g
ヨーグルト 低脂肪無糖 0.19 1カップ 210g
普通牛乳 0.15 コップ1杯 200g
表7:卵類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
うずら卵 全卵 生 0.72 1個 10~12g
鶏卵 卵黄 生 0.52 1個 16g
鶏卵 全卵 生 0.43 1個(Mサイズ殻付) 60g
鶏卵 卵白 生 0.39 1個 35g
ビタミンB2を多く含む食品の卵の写真。ビタミンB2は熱には強いのですが光によって分解しやすい性質があります。
表8:野菜類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
しそ 葉 生 0.34 10枚 7g
切干しだいこん 乾 0.20 1食分 10g
ブロッコリー 花序 生 0.20 1株 250g
ほうれんそう 葉 通年平均 生 0.20 1株 20g
バジル 葉 生 0.19 1枝 5g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(野菜の皮や根、芯など)を除いたものです。
表9:種実類に含まれるビタミンB2量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB2(㎎)単位重量
アーモンド 乾 1.06 10粒 14g
ごま いり 0.23 大さじ1 9g
くるみ いり 0.15 1粒 5g
らっかせい 大粒種・小粒種 乾 0.10 殻付き10粒 25g

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015年版)総論 ビタミン(水溶性ビタミン) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 日本食品標準成分表・資源に関する取組 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 香川明夫(監修):七訂 食品成分表2019. 女子栄養大学出版, 東京, 2019.

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