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ミネラル:微量元素

微量元素とは

 栄養学では、人体を構成する元素のなかで、酸素、炭素、水素、窒素の4つを除いた他の元素をミネラルと呼び、さらにそのなかでも極めて少量しか存在しないものを微量元素と呼びます。

 日本人の食事摂取基準2010年版で示されているのは鉄、亜鉛(リンク1参照)、銅、クロム、モリブデン、マンガン、セレン、ヨウ素の8種類です。

 ここではクロム、モリブデン、マンガン、セレン、ヨウ素について説明します。

クロム

 クロムは成人の体内に約2mg含まれ、糖代謝や脂質代謝に関与しています。通常の食事からは欠乏することはまれですが、仮に不足した場合には、インスリンの感受性が低下し糖尿病につながります。

 クロムを多く含む食品は魚介類、海藻類、肉類などです。一日の推奨量は18~69歳男性で40μg(マイクログラム)、70歳以上の男性は35μgです。18~69歳女性で30μg、70歳以上男性で30μg、70歳以上女性で25μgです。

リンク1 「ミネラル:亜鉛、銅」

モリブデン

 モリブデンは肝臓や腎臓、皮膚などに存在していて、たんぱく質や鉄の代謝に関与しています。不足すると神経障害、成長障害、とりすぎると痛風様症状が現れますが、通常の食事では欠乏症も過剰症も起こすことはありません。

 モリブデンを多く含む食品はレバー、豆類、種実類(しゅじつるい)などです。一日の推奨量は18~29歳の男性で25μg、30~49歳の男性で30μg、50歳以上男性では25μgです。18~29歳の女性で20μg、30~69歳の女性で25μg、70歳以上女性では20μgです。上限量は18~29歳の男性で550μg、30~69歳の男性で600μg、70歳以上の男性では550μgです。18~29歳の女性で450μg、30~69歳の女性で500μg、70歳以上女性では450μgです。

マンガン

 マンガンは成人体内に約10mg含まれ、肝臓、膵臓、腎臓、毛髪などに存在しています。多くの酵素反応に関与し、不足すると骨の成長不良、生殖能力の低下などをおこすと考えられていますが、ヒトでの報告はありません。

 マンガンは種実類、穀類、豆類に多く含まれます。一日の目安量は18歳以上男性で4.0mg、女性で3.5mg、上限量は18歳以上男女ともに11mgです。

セレン

 セレンは肝臓や腎臓に含まれ、抗酸化作用で組織細胞の酸化を防いでいます。通常の食事では過剰症や欠乏症を起こすことはありません。欠乏では中国の低濃度の土地に住む人における克山病(心筋症の一種)が知られています。

 セレンは魚介類に多く含まれます。一日の推奨量は18歳以上の男性で30μg、18歳以上の女性で25μgです。上限量は18~29歳の男性で280μg、70歳以上男性では260μgです。18~29歳の女性で220μg、30~69歳の女性で230μg、70歳以上女性では210μgです。

ヨウ素

 ヨウ素は成人の生体内に約10mg含まれ、甲状腺ホルモン(トリヨードチロニン、チロキシン)の主成分です。甲状腺ホルモンのおもな生理作用は基礎代謝の促進であり、たんぱく質合成の促進や脂質代謝にも関与しています。また、成長ホルモンなどと関連し、成長を促進します。とりすぎても不足しても甲状腺腫(こうじょうせんしゅ:甲状腺にできる良性の腫瘍)になります。

 ヨウ素は海藻類や魚介類などの海産物に多く含まれますので、これらを多く摂取する日本人には欠乏症がほとんどみられません。一日の推奨量は18歳以上男女とも130μg、上限量は2200μgです。

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