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ビタミンKの働きと1日の摂取量

ビタミンKとは1)

 ビタミンKには多種類ありますが、天然のものはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)の2種類のみです。ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、ビタミンK2は微生物から生産されます。

 ビタミンK1は1種類ですが、ビタミンK2には何種類かの同族体が存在します。ビタミンK2のうち代表的なものは、動物性食品に含まれるメナキノン-4と納豆が産生するメナキノン-7です。一般にビタミンKというときには、フィロキノン、メナキノン-4、メナキノン-7を総称したものをいいます。

ビタミンKの吸収と働き1)

 数種類あるビタミンKのうち、栄養学的に重要なものが、ビタミンK2のメナキノン類です。ビタミンK1のフィロキノンは組織内で酵素の働きによりメナキノン-4に変換されますが、その量はそれほど多くはないと見積もられています。

 ビタミンKの主要な作用は、血液凝固に関与するものです。血液が凝固するのには、プロトロンビンなどの血液凝固因子が必要ですが、プロトロンビンが肝臓で生成されるときに、補酵素として働くのがビタミンKです。そのためビタミンKが欠乏すると血液中のプロトロンビンが減少し、血液凝固に時間がかかり、出血が止まりにくくなります。

 また、ビタミンKは丈夫な骨づくりにも不可欠で、骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があります。そのため、骨粗鬆症の治療薬としてメナキノン-4が処方されています。そのほかに、動脈の石灰化を抑制する作用もあります。

ビタミンKの1日の摂取基準量2)

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンKの成人の1日の摂取の目安量を男女ともに150㎍ に設定しています。ビタミンKは多量に摂取しても健康被害が見られないことから、上限量は設定されていません(表)。

表:ビタミンKの食事摂取基準(㎍/日)2)
性別 男性 女性
年齢等 目安量 目安量
0~5(月) 4 4
6~11(月) 7 7
1~2(歳) 60 60
3~5(歳) 70 70
6~7(歳) 85 85
8~9(歳) 100 100
10~11(歳) 120 120
12~14(歳) 150 150
15~17(歳) 160 160
18~29(歳) 150 150
30~49(歳) 150 150
50~69(歳) 150 150
70以上(歳) 150 150
妊婦 150
授乳婦 150

 血栓を防ぐためのワ-ファリンという薬を服用している人の場合、ビタミンKを多く含む納豆、ブロッコリー、ほうれん草などの食品を摂取すると薬の作用が弱まることから、摂取を制限されることがあります。

ビタミンKが不足するとどうなるか1)

 ビタミンKはさまざまな食品中に広く含まれますし、ビタミンK2は腸内細菌によっても合成されるので、健常人では不足することは稀です。しかし、新生児では腸内細菌からのビタミンK2供給が少ないため、ビタミンK欠乏による新生児メレナ(消化管出血)や特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)を起こすことがあります。

 ビタミンKの吸収は胆汁の存在のもとに小腸上部で行われているため、加齢により膵液や胆汁の分泌量が低下すると、腸管からのビタミンKの吸収量が減少します。また、抗生物質の長期投与でメナキノン類を産生する腸内細菌が死滅してしまったり、ビタミンKを活性化させる酵素の活性が低下したりすることがあります。そのため、高齢者では、ビタミンK欠乏となる可能性があるため、注意が必要です。

ビタミンKを多く含む食品3)

 ビタミンK1は緑黄色野菜に多く含まれています。その他に、海藻、豆類、植物油などにも含まれます。ビタミンK2は発酵食品の納豆に特に多く含まれます。そのため、納豆を日常的に食べている人は、食べていない人と比べてビタミンKの摂取量が約2倍であるという調査結果もあります。そのほかには、肉類、乳製品、鶏卵などにも含まれています。脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率が上がります。

 平成27年国民健康・栄養調査における日本人のビタミンKの1日の平均の摂取量は242㎍(マイクログラム)で食品群別でみると、野菜(132.8㎍)と豆類(61.4㎍)で80.2%を摂取していました。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ビタミン(脂溶性ビタミン) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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