健康長寿ネット

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食物繊維:水溶性と不溶性

食物繊維とは

 食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」と定義されています。水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維とに大別されます。

 水溶性食物繊維にはペクチンの一部(果物、野菜)、アルギン酸(コンブ、ワカメ)、グルコマンナン(コンニャク)などがあります。

 不溶性食物繊維は細胞壁の構造物質でセルロース(穀類、豆類、野菜)、へミセルロース(穀類、豆類、野菜、海藻類)、ペクチンの一部(野菜)、キチン(カニ、エビの殻)などがあります。

水溶性食物繊維の働き

 水溶性食物繊維は、ナトリウム(リンク1参照)の便中への排泄を促進し、血圧の上昇を抑制する働きがあります。また、腸内細菌叢(さいきんそう:細菌が群がり生えている所)を改善する働きもあります。

 ペクチンやコンニャクマンナンは、小腸上部においてブドウ糖の吸収速度を遅らせ、血糖の上昇を抑制します。これは糖尿病の予防や治療に有効と考えられています。

リンク1 「ミネラル:ナトリウム」

不溶性食物繊維の働き

 不溶性食物繊維は、大腸内で水分を保持し、軟便にして排泄を促したり、生体に有害な物質を吸着させ排泄を促進したりします。大腸内での有害な物質の通過時間が短縮されると、発癌物質と腸壁の接触時間を減らすので、大腸癌(リンク2参照)の発生を抑制できると考えられています。

リンク2 「大腸癌末期」

食物繊維が不足すると

 食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化によって便秘や痔になったり、糖尿病や大腸癌のリスクが高まったりします。

 過剰摂取による健康障害は通常の食生活ではみられません。むしろ意識してとる必要があります。しかし、サプリメント(リンク3参照)などの合成された食物繊維を多量にとると、一過性の下痢を起こすことがあり、その結果、生体に必要なミネラルを排出してしまうことになります。

リンク3 「サプリメントと食事からの栄養」

食物繊維の多い食品

 グラフ1、グラフ2に示すように、食物繊維は野菜、穀物、いも類、豆類、きのこ類、海藻類に多く含まれます。食物繊維は種類によって生理作用が違うので、さまざまな食品を組み合わせて摂取しましょう。

 野菜は生だとかさが多く量がとれないので、煮たりゆでたりしてかさを減らしたほうが効率的です。また、精製度の高い穀類より、未精製の全粒粉や玄米などには食物繊維が多く含まれているのでこれらを主食として食事にとり入れるとよいでしょう。

食事摂取基準

 平成19年国民健康・栄養調査における食物繊維の摂取量は、水溶性が3.4g、不溶性が10.6摂取されています。

 日本人の食事摂取基準(2010年版)では、一日あたりの目安量は18歳以上の男性で19g、18歳以上の女性で17gとされています。

グラフ:食物繊維(水溶性)の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)日本人の食物繊維(不溶性)は野菜・きのこ・藻類から多く摂取していることを示している。

グラフ1:食物繊維(水溶性)の食品群別摂取構成比

グラフ:食物繊維(水溶性)の食品群別摂取構成比(平成19年厚生労働省 国民健康・栄養調査)日本人は食物繊維(水溶性)をやさい・きのこ・藻類から最も多く摂取していることを示している。

グラフ2:食物繊維(不溶性)の食品群別摂取構成比

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