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ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年8月 8日 10時30分

ビタミンB6/B12とは1)

 ビタミンB6活性をもつ化合物にはピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンの3つがあります。また、これらの化合物にリン酸が結合したピリドキシン 5́-リン酸(PNP)、ピリドキサール 5́-リン酸(PLP)、ピリドキサミン 5́-リン酸(PMP)は、消化管でビタミン B6 にまで消化された後、体内に取り込まれるため、ビタミン B6と同等の働きを持ちます。ビタミンB6は白色の結晶で光によって分解されやすい性質をもっています。

 ビタミンB12はコバルトを含む化合物で、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、シアノコバラミンがあります。水やアルコールに溶けやすく、光によって分解されやすい性質です。

ビタミンB6/12の吸収と働き1)

 ビタミンB6は生鮮食品中では、通常、リン酸やたんぱく質と結合した状態で存在していますが、調理や消化の過程で分解され、最終的にはピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシンとなって吸収されます。

 ビタミンB6は、補酵素(酵素の働きを助ける成分)として多くのアミノ酸の代謝を助けています。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝にも関与しています。

 食品中のビタミン B12 はたんぱく質と結合しており、胃の中でたんぱく質が変性・分解されると、遊離のビタミンB12になります。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。

ビタミンB6/B12の1日の摂取基準量2)3)

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンB6の一日の摂取の推奨量は、18歳以上の男性で1.4㎎、18歳以上の女性で1.2㎎となっています。ビタミンB6は水溶性ビタミンですが、過剰摂取による健康被害(感覚ニューロパシー)が報告されていることから、耐容上限量が、18~29歳男性では55㎎、30~49歳男性では60㎎、50~69歳男性では55㎎、70歳以上で50㎎、18~69歳女性では45㎎、70歳以上の女性で40㎎と設定されています(表1)。

表1:ビタミンB6の食事摂取基準(㎎/日)a,2)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量b推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量b
0~5(月) 0.2 0.2
6~11(月) 0.3 0.3
1~2(歳) 0.4 0.5 10 0.4 0.5 10
3~5(歳) 0.5 0.6 15 0.5 0.6 15
6~7(歳) 0.7 0.8 20 0.6 0.7 20
8~9(歳) 0.8 0.9 25 0.8 0.9 25
10~11(歳) 1.0 1.2 30 1.0 1.2 30
12~14(歳) 1.2 1.4 40 1.1 1.3 40
15~17(歳) 1.2 1.5 50 1.1 1.3 45
18~29(歳) 1.2 1.4 55 1.0 1.2 45
30~49(歳) 1.2 1.4 60 1.0 1.2 45
50~69(歳) 1.2 1.4 55 1.0 1.2 45
70以上(歳) 1.2 1.4 50 1.0 1.2 40
妊婦(付加量) +0.2 +0.2
授乳婦(付加量) +0.3 +0.3
  1. たんぱく質食事摂取基準の推奨量を用いて算定した(妊婦・授乳婦の負荷量は除く)。
  2. 食事性ビタミンB6の量ではなく、ピリドキシンとしての量である。
  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量。

 平成27年国民健康・栄養調査結果における日本人の一般食品からのビタミンB6の1日の摂取量の平均は1.13㎎で、食品群別でみると野菜、魚介類、肉類などから多く摂取されていました。

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンB12の一日の摂取の推奨量は18歳以上の男女とも2.4㎍です(表2)。

 ビタミンB12の吸収は胃から分泌される内因子によって調節されているので、食品から過剰に摂取しても、余剰分は吸収されません。そのため、耐容上限量は設定されていません。

表2:ビタミンB12の食事摂取基準(㎍/日)2)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0~5(月) 0.4 0.4
6~11(月) 0.5 0.5
1~2(歳) 0.7 0.9 0.7 0.9
3~5(歳) 0.8 1.0 0.8 1.0
6~7(歳) 1.0 1.3 1.0 1.3
8~9(歳) 1.2 1.5 1.2 1.5
10~11(歳) 1.5 1.8 1.5 1.8
12~14(歳) 1.9 2.3 1.9 2.3
15~17(歳) 2.1 2.5 2.1 2.5
18~29(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
30~49(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
50~69(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
70以上(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
妊婦(付加量) +0.3 +0.4
授乳婦(付加量) +0.7 +0.8
  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 摂取基準量の単位㎍は100万分の1グラムを表します。

 平成27年国民健康・栄養調査結果における日本人の一般食品からのビタミンB12の1日の摂取量の平均は5.9㎍で、そのほとんどを魚介類から摂取していました。

ビタミンB6/B12が不足するとどうなる1)

 ビタミンB6が不足すると、皮膚炎、舌炎、口内炎、口角症、貧血、リンパ球減少症になります。また、成人の場合は、うつ状態、錯乱、脳波異常、痙攣発作など神経系に異常が起こることもあります。とくに抗生物質を長期間投与された患者などでは欠乏症になる恐れが指摘されており、注意が必要です。一方、大量に摂取した場合は、感覚性ニューロパシー(感覚神経障害)が起こりますが、通常の食事からの摂取ではまず過剰症の心配はいらないでしょう。

 ビタミンB12は腸内細菌によっても合成されるので、一般に欠乏することはないと考えられます。しかし、ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して小腸から吸収されるため、胃全摘手術をした人では、内因子が不足しビタミンB12が吸収されず欠乏する恐れがあります。

 ビタミンB12が不足すると造血作用がうまく働かず、巨赤芽球性貧血になります。また、脊髄や脳の白質障害、末梢神経障害が起こり、しびれや知覚異常の症状として現れます。

ビタミンB6/B12を多く含む食品

 ビタミンB6は表3のとおり、野菜類(とうがらし、にんにくなど)、穀類(米ぬか、小麦はいがなど)、魚介類(まぐろ赤身)に多く含まれています。食事以外では腸内細菌によって合成され、供給されています。

ビタミンB6を多く含む肉の赤身の写真。ビタミンB6は水溶性ビタミンで補酵素として多くのアミノ酸の代謝を助けています。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝に関与しています。
表3:ビタミンB6が豊富な食品4)
順位食品名成分量100gあたり㎎
1 野菜類/とうがらし/果実、乾 3.81
2 穀類/こめ/[その他]/米ぬか 3.27
3 調味料及び香辛料類/にんにく/ガーリックパウダー/食塩無添加 2.32
3 調味料及び香辛料類/にんにく/ガーリックパウダー/食塩添加 2.32
5 野菜類/(にんにく類)/にんにく/りん茎、油いため 1.80
6 調味料及び香辛料類/バジル/粉 1.75
7 野菜類/(にんにく類)/にんにく/りん茎、生 1.53
8 調味料及び香辛料類/パセリ/乾 1.47
9 調味料及び香辛料類/酵母/パン酵母、乾燥 1.28
10 穀類/こむぎ/[その他]/小麦はいが 1.24
11 種実類/ピスタチオ/いり、味付け 1.22
12 いも及びでん粉類/こんにゃく/精粉 1.20
13 種実類/ひまわり/フライ、味付け 1.18
14 野菜類/かぶ/漬物/塩漬/葉 1.10
15 魚介類/(まぐろ類)/みなみまぐろ/赤身、生 1.08
16 果実類/バナナ/乾 1.04
17 調味料及び香辛料類/しょうが/粉 1.03
18 いも及びでん粉類/じゃがいも/乾燥マッシュポテト 1.01
19 魚介類/(まぐろ類)/みなみまぐろ/脂身、生 1.00
19 野菜類/とうがらし/果実、生 1.00

 ビタミンB12は表4のとおり、魚介類(さけ、イワシ、うなぎなど)、貝類(しじみ、あさりなど)、藻類(のりなど)、肉類(特にレバー部分)に多く含まれています。食品卵、チーズなどの食品にも含まれます。野菜、果物、キノコ類、いも類などの植物性の食品には含まれていません。

ビタミンB12を多く含む食品であるチーズの写真。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。
表4:ビタミンB12が豊富な食品4)
順位食品名成分量100gあたり㎍
1 魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/めふん 327.6
2 魚介類/しじみ/水煮 81.6
3 藻類/あまのり/ほしのり 77.6
4 魚介類/しじみ/生 68.4
5 魚介類/(いわし類)/かたくちいわし/田作り 64.5
6 魚介類/あさり/缶詰/水煮 63.8
7 魚介類/あゆ/天然、内臓、生 60.3
8 魚介類/あげまき/生 59.4
9 魚介類/あかがい/生 59.2
10 藻類/あまのり/味付けのり 58.1
11 藻類/あまのり/焼きのり 57.6
12 魚介類/やつめうなぎ/干しやつめ 54.8
13 魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/すじこ 53.9
14 肉類/うし/[副生物]/肝臓/生 52.8
15 魚介類/あさり/生 52.4
16 魚介類/あゆ/天然、内臓、焼き 49.6
17 魚介類/ほっきがい/生 47.5
18 魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/イクラ 47.3
19 魚介類/(はまぐり類)/はまぐり/つくだ煮 45.4
20 肉類/にわとり/[副生物]/肝臓/生 44.4
  • 成分量の単位㎍は100万分の1グラムを表します。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ビタミン(水溶性ビタミン) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 食品成分データベース 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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