健康長寿ネット

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ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量

公開日:2016年7月25日 21時48分
更新日:2021年2月12日 12時45分

ビタミンB6/B12とは1)

 ビタミンB6活性をもつ化合物にはピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンの3つがあります。また、これらの化合物にリン酸が結合したピリドキシン5́-リン酸(PNP)、ピリドキサール5́-リン酸(PLP)、ピリドキサミン5́-リン酸(PMP)は、消化管でビタミンB6にまで消化された後、体内に取り込まれるため、ビタミンB6と同等の働きを持ちます。ビタミンB6は白色の結晶で光によって分解されやすい性質をもっています。

 ビタミンB12はコバルトを含む化合物で、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、シアノコバラミンがあります。水やアルコールに溶けやすく、光によって分解されやすい性質です。

ビタミンB6/12の吸収と働き1)

 ビタミンB6は生鮮食品中では、通常、リン酸やたんぱく質と結合した状態で存在していますが、調理や消化の過程で分解され、最終的にはピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシンとなって吸収されます。

 ビタミンB6は、補酵素(酵素の働きを助ける成分)として多くのアミノ酸の代謝を助けています。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝にも関与しています。

 食品中のビタミンB12はたんぱく質と結合しており、胃の中でたんぱく質が変性・分解されると、遊離のビタミンB12になります。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。

ビタミンB6/B12の1日の摂取基準量2)3)

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンB6の一日の摂取の推奨量は、18歳以上の男性で1.4㎎、18歳以上の女性で1.2㎎となっています。ビタミンB6は水溶性ビタミンですが、過剰摂取による健康被害(感覚ニューロパシー)が報告されていることから、耐容上限量が、18~29歳男性では55㎎、30~49歳男性では60㎎、50~69歳男性では55㎎、70歳以上で50㎎、18~69歳女性では45㎎、70歳以上の女性で40㎎と設定されています(表1)。

表1:ビタミンB6の食事摂取基準(㎎/日)a,2)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量b推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量b
0~5(月) 0.2 0.2
6~11(月) 0.3 0.3
1~2(歳) 0.4 0.5 10 0.4 0.5 10
3~5(歳) 0.5 0.6 15 0.5 0.6 15
6~7(歳) 0.7 0.8 20 0.6 0.7 20
8~9(歳) 0.8 0.9 25 0.8 0.9 25
10~11(歳) 1.0 1.2 30 1.0 1.2 30
12~14(歳) 1.2 1.4 40 1.1 1.3 40
15~17(歳) 1.2 1.5 50 1.1 1.3 45
18~29(歳) 1.2 1.4 55 1.0 1.2 45
30~49(歳) 1.2 1.4 60 1.0 1.2 45
50~69(歳) 1.2 1.4 55 1.0 1.2 45
70以上(歳) 1.2 1.4 50 1.0 1.2 40
妊婦(付加量) +0.2 +0.2
授乳婦(付加量) +0.3 +0.3
  1. たんぱく質食事摂取基準の推奨量を用いて算定した(妊婦・授乳婦の負荷量は除く)。
  2. 食事性ビタミンB6の量ではなく、ピリドキシンとしての量である。
  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量。

 平成27年国民健康・栄養調査結果における日本人の一般食品からのビタミンB6の1日の摂取量の平均は1.13㎎で、食品群別でみると野菜、魚介類、肉類などから多く摂取されていました。

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンB12の一日の摂取の推奨量は18歳以上の男女とも2.4㎍です(表2)。

 ビタミンB12の吸収は胃から分泌される内因子によって調節されているので、食品から過剰に摂取しても、余剰分は吸収されません。そのため、耐容上限量は設定されていません。

表2:ビタミンB12の食事摂取基準(㎍/日)2)
性別男性女性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0~5(月) 0.4 0.4
6~11(月) 0.5 0.5
1~2(歳) 0.7 0.9 0.7 0.9
3~5(歳) 0.8 1.0 0.8 1.0
6~7(歳) 1.0 1.3 1.0 1.3
8~9(歳) 1.2 1.5 1.2 1.5
10~11(歳) 1.5 1.8 1.5 1.8
12~14(歳) 1.9 2.3 1.9 2.3
15~17(歳) 2.1 2.5 2.1 2.5
18~29(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
30~49(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
50~69(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
70以上(歳) 2.0 2.4 2.0 2.4
妊婦(付加量) +0.3 +0.4
授乳婦(付加量) +0.7 +0.8
  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 摂取基準量の単位㎍は100万分の1グラムを表します。

 平成27年国民健康・栄養調査結果における日本人の一般食品からのビタミンB12の1日の摂取量の平均は5.9㎍で、そのほとんどを魚介類から摂取していました。

ビタミンB6/B12が不足するとどうなる1)

 ビタミンB6が不足すると、皮膚炎、舌炎、口内炎、口角症、貧血、リンパ球減少症になります。また、成人の場合は、うつ状態、錯乱、脳波異常、痙攣発作など神経系に異常が起こることもあります。とくに抗生物質を長期間投与された患者などでは欠乏症になる恐れが指摘されており、注意が必要です。一方、大量に摂取した場合は、感覚性ニューロパシー(感覚神経障害)が起こりますが、通常の食事からの摂取ではまず過剰症の心配はいらないでしょう。

 ビタミンB12は腸内細菌によっても合成されるので、一般に欠乏することはないと考えられます。しかし、ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して小腸から吸収されるため、胃全摘手術をした人では、内因子が不足しビタミンB12が吸収されず欠乏する恐れがあります。

 ビタミンB12が不足すると造血作用がうまく働かず、巨赤芽球性貧血になります。また、脊髄や脳の白質障害、末梢神経障害が起こり、しびれや知覚異常の症状として現れます。

ビタミンB6/B12を多く含む食品

 ビタミンB6は、野菜類、穀類、魚介類、種実類などに多く含まれています。食事以外では腸内細菌によって合成され、供給されています。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からビタミンB6を多く含む食品を表3から表6にまとめました。

表3:野菜類に含まれるビタミンB6量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB6(㎎)単位重量
ししとう 果実 生 0.39 1本 4g
あさつき 葉 生 0.36 1わ 25g
モロヘイヤ 茎葉 生 0.35 1束 100g
切干しだいこん 乾 0.29 1人分 15g
ブロッコリー 花序 生 0.27 1株 250g
西洋かぼちゃ 果実 生 0.22 1個 1~1.5kg
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(野菜の皮や根、芯など)を除いたものです。
表4:穀類に含まれるビタミンB6量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB6(㎎)単位重量
雑穀混合品 五穀 0.24 小盛り1杯 100g
[水稲めし] 玄米 0.21 小盛り1杯 100g
ライ麦パン 0.09 1枚(6枚切り) 60g
[水稲めし] 精白米 うるち米 0.02 小盛り1杯 100g
マカロニ・スパゲッティ ゆで 0.02 乾1人分 80g
  • 加熱調理(ゆで、蒸し)をした食品は、ゆで汁(食塩水)は廃棄し、調味料は含まれていません。成分量は加熱調理後の可食部100g当たりの成分量となります。
表5:魚介類に含まれるビタミンB6量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB6(㎎)単位重量
びんなが 生 0.94 1柵 150g
かつお 春・秋獲り 生 0.76 1柵 250g
ごまさば 生 0.65 1尾 500g
しろさけ 生 0.64 1切れ 80~150g
かたくちいわし 生 0.58 1尾 15g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(頭部、内臓、骨、ひれなど)を除いたものです。
ビタミンB6を多く含むまぐろの赤身の写真。ビタミンB6は水溶性ビタミンで補酵素として多くのアミノ酸の代謝を助けています。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝に関与しています。
表6:種実類に含まれるビタミンB6量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB6(㎎)単位重量
ごま いり 0.64 大さじ1 9g
らっかせい バターピーナッツ 0.48 10粒 10g
らっかせい いり 大粒種・小粒種 0.46 殻付き10粒 25g
日本ぐり 生 0.27 1粒 15~20g

 ビタミンB12は、魚介類、藻類、肉類、卵類、乳類に多く含まれています。野菜類、果実類、きのこ類、いも類などの植物性の食品には含まれていません。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からビタミンB12を多く含む食品を表7から表11にまとめました。

表7:魚介類に含まれるビタミンB12量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB12(㎍)単位重量
しじみ 生 68.4 10個 30g
あさり 生 52.4 中身1個 2~3g
かき 養殖 生 28.1 中身1個 8~15g
にしん 生 17.4 1尾 300g
まいわし 生 15.7 1尾 120g
さんま 皮つき 生 15.4 1尾 150g
  • 可食部とは、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位(頭部、内臓、骨、ひれなど)を除いたものです。
表8:藻類に含まれるビタミンB12量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB12(㎍)単位重量
あまのり ほしのり 77.6 1枚 2g
あまのり 味付けのり 58.1 1人分 3g
あまのり 焼きのり 57.6 1枚 2g
あおさ 素干し 1.3 小さじ1 2g
わかめ 原藻 0.3 1人分 10g
表9:肉類に含まれるビタミンB12量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB12(㎍)単位重量
うし 肝臓(レバー) 生 52.8 1人前 100g
にわとり 肝臓(レバー) 生 44.4 1人前 100g
ぶた 肝臓(レバー) 生 25.2 1人前 100g
うし [交雑牛肉] もも 赤肉 生 2.4 1枚 200g
表10:卵類に含まれるビタミンB12量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB12(㎍)単位重量
うずら卵 全卵 生 4.7 1個 10~12g
鶏卵 卵黄 生 3.0 1個 16g
鶏卵 全卵 生 0.9 1個(Mサイズ殻付) 60g
表11:乳類に含まれるビタミンB12量4)5)より作成
食品名可食部100g当たりの成分量食品の目安重量(廃棄部分を含む)
ビタミンB12(㎍)単位重量
プロセスチーズ 3.2 1切れ 18g
ナチュラルチーズ エダム 2.8 1切れ 18g
ナチュラルチーズ パルメザン 2.5 大さじ1 6g
ナチュラルチーズ チェダー 1.9 スライス1枚 18g
ナチュラルチーズ モッツァレラ 1.6 1切れ 18g
ナチュラルチーズ カマンベール 1.3 1切れ 18g
ナチュラルチーズ ブルー 1.1 1切れ 18g
ビタミンB12を多く含む食品であるチーズの写真。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015年版)総論 ビタミン(水溶性ビタミン) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 日本食品標準成分表・資源に関する取組 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 香川明夫(監修):七訂 食品成分表2019. 女子栄養大学出版, 東京, 2019.

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