健康長寿ネット

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サプリメントと食事からの栄養

サプリメントとは

 近年日本でもビタミン、ミネラルをはじめ、グルコサミン、黒酢など多種多様のサプリメントが簡単に入手できるようになりました。

 ところでサプリメントとはいったい何でしょう?実はサプリメントの定義は明確ではありません。2001年の厚生労働省の通知によると「保健機能食品」の中に通常の食品形状をとらない錠剤、カプセル等の食品が含まれることから、これらをサプリメントと考えるのが一般的です。

 アメリカでは1994年に健康補助食品、健康、健康教育に関する法令(DSHEA)が制定され、「サプリメントはビタミン、ミネラル、ハーブ類等の栄養成分を含む通常の食品形状をとらないもの」とされています。

 国際的には1997年のコーデックス(Codex)委員会でビタミン、ミネラルサプリメントの国際的な規格の検討がされていますが、統一規格の策定にはいたっていません。

日本でのサプリメントの調査

 日本では平成13年度の国民栄養調査で始めてサプリメントの調査がされました。これによると、ふだん錠剤、カプセル、顆粒、ドリンク状のビタミンやミネラルを利用しているのは女性23.6%、男性17.0%、そのうち60%以上の人が毎日サプリメントを利用していました。

 サプリメントを利用する主な理由は「病気の予防・健康増進のため」、「不足している栄養成分を補給するため」でした。

アメリカでのサプリメント調査

 アメリカ全国健康調査(NHANES III)によると、アメリカでの過去1ヶ月間の全ての種類のサプリメント利用者の割合は約80%、ビタミン、ミネラルに限ると約40%でした。またこの調査からビタミン、ミネラル以外のサプリメントが300種類以上も報告されました。その中でもハーブ類は「健康のため、または健康に良いと思われるため」利用する人が多く、工業的に精製された医薬品よりも植物性製品の方がより自然であると思われているようです。

 また欧米で行われている調査によるとサプリメント利用者は教育歴が高い、BMI(体脂肪量を表す指数)が適当、喫煙率が低い、適度な飲酒習慣であるなど、健康や食生活に対しての関心が高い人が多いようです。

国立長寿医療研究センター研究所でのサプリメントの調査

 NILS-LSAのサプリメントの調査では(リンク1参照)、過去1年間のサプリメント利用者の割合は女性66.3%、男性52.2%、ビタミンの利用者が多く、ビタミンA、ビタミンB6、鉄ではサプリメントからの栄養素の摂取量が食事摂取基準の上限量(UL)を超えている人がみられました。

リンク1 国立長寿医療研究センター研究所・老化に関する長期縦断疫学研究、第6次調査中間報告、ホームページモノグラフに掲載中(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

海外の論文では

 海外の論文でもサプリメントからのビタミン類(B類、C、E、ナイアシンなど)、ミネラル類(鉄、亜鉛など)の過剰摂取が報告されています。またサプリメントによる栄養のアンバランス、医薬品との相互利用による中毒、健康被害の危険性についての報告もみられます。

サプリメントは科学的根拠が明確なものが少ないのが現状

 フラボノイド(リンク2参照)、カテキン(リンク3参照)など生活習慣病の予防や長寿に有効であるとされる有効成分は数多く、サプリメントとして利用されているものもあります。しかしその有効性については科学的根拠が明確なものが少ないのが現状です。

 世界がん研究基金が1997年にまとめた提言では、「野菜、果物、豆類と、精製度の低いでんぷん質主体の主食による植物性食品が中心の食事を心がけ、適正体重の維持、適度な運動、適量飲酒、非喫煙などの生活習慣を心がければ、がん予防のためにサプリメントを利用する必要はおそらく不要である」としています。

 また、米国対がん協会では2002年にがんの種類別(大腸がん、乳がん、前立腺がん、胃がんなど9種類)に栄養(リンク4参照)、運動等(リンク5参照)によるがん予防の有効性についてのガイドラインを発表していますが、その中ではビタミンのサプリメントを利用することについては、「利害と害について結論するだけの充分な根拠がない」と判定しています。サプリメントの有効性は不明確といえます。

 アメリカ栄養士会では栄養士会の立場として一般の人はフードピラミッド(食品群を理想的なバランスの食事の指標としてピラミッド状に表したもの)、食事ガイドラインなどを利用して多様な食品をバランスよく、そして食事摂取基準を参考に適量とることがまず大事であり、サプリメントや機能性食品などを利用するのはあくまで補助的な手段であることを明言しています。

リンク2 「フラボノイド」

リンク3 「カテキン」

リンク4 「予防のために:がんと食事」

リンク5 「運動とがん」

 高齢者や運動選手などは食品からの栄養素摂取が限定されることがあり、サプリメントが有効な場合も考えられます。しかし国内外のサプリメントを取り巻く環境を眺めていると、サプリメントを生活に取り入れる場合は慎重に、常時最新の研究成果に注目してその有効性を見直す必要があると思われます。

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