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マグネシウムの働きと1日の摂取量

マグネシウムとは

 マグネシウムは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。カリウムに次いで細胞内液に多くしますが、細胞外液には1%未満しか存在しません。生体内では、多くの酵素を活性化して生命維持に必要なさまざまな代謝に関与しています。

マグネシウムの吸収と働き1)

 食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ、腎臓で排泄されます。腸管での吸収はビタミンDによって促進され、過剰のカルシウムやリンによって抑制されます。摂取量が不足すると、腎臓でのマグネシウムの再吸収が促進されたり、骨からマグネシウムが放出されたりすることで、マグネシウムの血中の濃度を一定に保っています。

 マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けていています。エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成・分解過程のほか、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もあります。

マグネシウムの1日の摂取基準量2)3)

 日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日のマグネシウムの推奨量を18~29歳男性では340mg、30~49歳男性では370mg、50~69歳男性では350mg、70歳以上の男性では320mgで、18~29歳女性では270mg、30~69歳女性では290mg、70歳以上の女性では270mgと設定しています(表)。

 通常の食事による過剰障害は報告されていないため、一般的な耐容上限量は設定されていませんが、サプリメントなどの通常の食品以外からの摂取量を成人で1日に350mg(小児の場合は体重1kgあたり5mg)と制限しています(表)。

表:マグネシウムの食事摂取基準(mg/日)
性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量※1 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量※1
0~5(月) 20 20
6~11(月) 60 60
1~2(歳) 60 70 60 70
3~5(歳) 80 100 80 100
6~7(歳) 110 130 110 130
8~9(歳) 140 170 140 160
10~11(歳) 180 210 180 220
12~14(歳) 250 290 240 290
15~17(歳) 300 360 260 310
18~29(歳) 280 340 230 270
30~49(歳) 310 370 240 290
50~69(歳) 290 350 240 290
70以上(歳) 270 320 220 270
妊婦(付加量) +30 +40
授乳婦(付加量)
※1 通常の食品以外からの摂取量の耐容上限量は成人の場合350mg/日、小児では5mg/kg体重/日とする。それ以外の通常の食品からの摂取の場合、耐用上限量は設定しない。

 平成27年国民健康・栄養調査におけるマグネシウムの1日の摂取量の平均は243.9mgで、推奨量と比較すると、不足気味です。食品群別の摂取量を見ると、野菜穀類、豆類からの摂取量が多くなっています。

マグネシウムが不足するとどうなるか1)

 マグネシウムが不足した場合には、不整脈が生じやすくなり、慢性的に不足すると虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まります。また、吐き気、精神障害などの症状が現れたり、テタニー(筋肉の痙攣)を起こしやすくなったりします。さらに、近年、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性が示唆されており、今後さらに研究が進められることが期待されます。

マグネシウムの過剰摂取の影響

 マグネシウムをとりすぎた場合は、過剰分は尿中に排泄されるので通常の食事では過剰症になることはありません。しかし、腎機能が低下している場合には高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状が現れます。また、ダイエットや便秘などに効果があるといって摂取されている「にがり」(主成分は塩化マグネシウム)やサプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムを過剰に摂取すると、下痢を起こすことがあります。

マグネシウムを多く含む食品4)

 マグネシウムは精製されていない穀類、野菜などの植物性食品に豊富に含まれています。そのほかに魚介類、肉類、海藻類、豆類などにも多く含まれます。

 きんめだい生100g(一切れ)には73mg、ほうれん草生100g(2分の1束)には69mg、玄米ご飯120g(茶碗一杯)には59mg、納豆50g(1パック)には50mgが含まれています。

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ミネラル(多量ミネラル) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 平成27年国民健康・栄養調査 厚生労働省 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 食品成分データベース 日本食品標準成分表2015年版 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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